顎関節症あるあるを、早く言いたい~♪(RG風)

顎関節症あるあるを、早く言いたい~♪(RG風)

こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠です。

『顎関節症』 って、よく耳にする言葉ですよね。
皆さまの中にも、「そうそう!私も顎関節症が悩みなんだ~(>_<)」 という方が いらっしゃるのではないでしょうか??

例えば、それはどんな症状がありますか?
「お口を開こうとすると、顎が痛む」
「お口を、大きく開けられない」
「顎を動かすと、音がする」
このような症状は、多くの方が一度はなったことがあり、一生のうちに半数の人が経験するとも言われています。
多くの場合は、症状が一過性であれば問題ありません。「そういえば、顎が調子悪かったけど、段々治ってきたな…」くらいなら、様子をみて良いでしょう。

特に、「音がする」 だけなら大丈夫です。指・肩・首なども、たまに音が鳴る事ってありますよね? 顎関節も同様です。
更に言えば、顎関節は耳のすぐ横にあるので、関節が鳴る音が より大きく感じて気になると思いますが、それだけで治療の必要は無いです。指を曲げるとパキパキ鳴るからって、整形外科さんに駆け込む人はいないですものね。それと同じです。

でも、「顎を動かすと痛い」 「口が開かない」 は、困りものですよね。改善させないと、日常生活に支障をきたします。

“痛み” に関しては、顎関節の周囲や顎の筋肉に 炎症が起きているせいかもしれません。

“運動障害” すなわち口が開かない に関しては、関節内部の軟骨がズレて動きを妨げていたり、筋肉の炎症で動きが制限されているかもしれません。

そんな症状が続くときは、ぜひご相談ください。まず、何でそれが起きているのか調べて解決法を探ってみましょう。実は、顎関節症は様々な原因が組み合わさって生じる 多因子性の疾患なのです。
例えば、「咬み合わせの悪さ」 、「顎関節・軟骨・周囲筋の脆弱さ」 、「歯ぎしりや食いしばり」 、「精神的要素(緊張・不安・ストレスなど)」 、「癖・生活習慣」 、「外傷」 、「食事」 、「姿勢」 などなど………。
積み木のように各要因が集まって積み重なり、それが関節や筋肉の耐久力を越えると発症します。

治療法も、その方の症状や発症要因によって様々です。
前述のように軽度であれば、自然に治ることもあります。また、原因となっている癖や習慣を修正する行動療法、マッサージや冷温湿布や電気を流す理学療法、開口訓練などの運動療法、そして顎関節や筋肉への負担を緩和させるマウスピース治療、なども有効です。
重度であれば、口腔外科などの専門医へ相談して外科的療法が必要かもしれません。

最後に、顎関節症あるあるを……、
『顎関節症って、けっこう多いよね~~! 僕もそうだし!!』
おそまつさまでした(笑)

千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠

子供の癖と歯並び

皆さん、こんにちは!たなか歯科クリニック、歯科医師の木方です。

皆さんは、子供の時にやっていた癖は、何かありますか?実は、ちょっとした癖で歯並びや噛み合わせが変わることがあります。

そこで、今日は子供の癖と歯並びについて書いていきたいと思います。

癖にも色々と種類があり、口腔に関係する癖は以下の3種類があります。

Ⅰ:生活習慣に起因する習癖

姿勢、頬杖、偏咀嚼

Ⅱ:他疾患や解剖学的条件が原因の習癖

舌の癖、口呼吸、口唇閉鎖不全、低位舌

Ⅲ:情緒に関係する神経性習癖

指しゃぶり、咬爪癖、ブラキシズム

などがあげられます。

次に口腔習癖により将来的に治療が難しくなりやすい、悪い噛み合わせ(不正咬合)を紹介します 。

Ⅰ:開咬

開咬とは上下の奥歯は咬みあっているが前歯が咬みあっていない状態です。原因としては 上下の歯の間に異物が挟まり、歯の軸が唇側に傾いてしまうためです。指しゃぶり、咬爪癖、舌を前にだす癖、口呼吸が原因でなる事があります。

指しゃぶりは1歳半から2歳頃に見られます。この時期は発達段階において自然ですが、その後もやめられない子供がいます。三歳半を過ぎても指しゃぶりが続いてしまうと歯並びや顎の骨に悪影響が残る可能性があります。

Ⅱ:過蓋咬合

過蓋咬合は開咬とは逆に噛み合わせが深くなっている状態です。くいしばり等により、奥歯の噛み合わせが低くなる事でおこります。また、頬杖やうつ伏せで寝る事で下顎を押し付ける力がかかり、過蓋咬合が悪化する場合もあります。

Ⅲ:正中のズレ

上顎前歯と下顎前歯の中心が左右にズレている状態です。パターンとしては2つあり、顎の骨に対して歯の位置がズレている場合と上顎に対して下顎の位置がズレている場合です。前者は歯の生え方の問題ですが、後者は偏咀嚼等の口腔習癖が原因になっていたりします。

治療法としては、口腔習癖が原因であれば、それの改善や機能訓練、矯正装置の使用等があります。

今日あげたもの以外にも、不正咬合はいくつかあり、それぞれに対応した治療法の選択が重要になります。

不正咬合を疑う際は矯正の無料相談を勧めさせて頂いてます。もちろんお子さんだけでなく、大人の方の矯正治療も行っておりますので噛み合わせが気になる方はぜひ一度ご相談下さい。

たなか歯科クリニック 歯科医師 木方奨

歯が割れてしまった時の治療

「割れた歯(歯牙ハセツ)の治療」

歯を失う原因のNo. 1は「歯周病」。
そして2番目は「虫歯」。
3番目は「破折」です。

やっかいなのは、歯周病とむし歯はある程度予防できるのですが、
「破折」はある時突然襲ってきます。

よく神経を取ると歯が割れやすくなる、と言われていますが神経のある歯でも割れることがあります。

割れ方は様々なパターンがあり、垂直に竹を割ったように真っ二つになった場合は残念ながら抜歯が適応になります。

今回は治療前にCT撮影し歯を保存したケースです。

もちろん全ての破折歯を保存できる訳ではありません。
客観的な診断のもとで施術したことをご理解ください。

 

(このケースでは材料は保険適応外のものを使用しています)

 

来院時の歯の状態です(マイクロスコープ での写真です)。

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他院にて上の奥歯に応急処置がされており、次回抜歯と言われたそうです。

セメントの一部を外すと破折がハッキリと確認できます。

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2つになった歯はそれぞれグラグラし、かむと強い痛みがあります。
少し動かすだけで出血します。

歯髄診=歯の神経の診断(冷・温熱、電気)では反応がありませんでした。
神経は死んでしまっているようです。
診断結果は欧米の診断基準でclass3(難症例)、抜歯判断でもおかしくないケースです。

もし残せたとしても健康な歯と同じように回復することはできません。
十分な説明の後、歯を出来る限り残したいという希望があったためCTを撮影しました。

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破折線は歯を縦断していましたが、致命傷は免れたようです。

しかし3つの根のうち一つにヒットしているため、この根は摘出します。
やはりただでは済まされないようです。

また感染は根の先まで進み、上顎洞(耳鼻科領域)まで広がっています。
歯が原因の上顎洞の炎症を「歯性上顎洞炎」といいます。

歯内療法が必要です。

歯内療法→割れている根の摘出→仮歯で経過観察→最終的な被せ物
という治療計画を立てました。

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歯に矯正用のバンドを巻き固定しました。言わばギブスですね。

また亀裂にレジンやセメントを流し込み、歯の内部を密閉できる状態にしました。

歯内療法は感染源を断ちバクテリアを減少させるのが目的です。
せっかく中身をきれいにしても感染経路を遮断しなくては上手くいきません。

緑色のシートはラバーダム
もうおなじみですね。
歯の保存療法ではマストなアイテムです。
歯を隔離して感染予防するだけでなく、器具落下による誤飲を防ぎます。

噛んだ拍子に亀裂が入らないように、噛み合わせを減らし患者さんにはこの歯で噛まないように協力していただきました。
患者さんの協力はとても重要です。治療は歯医者と患者さんの二人三脚です。

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(レントゲン写真)
根充(根の中を密封する)後、ラバーダムを外し一つの根を摘出しました。

写真では分かりずらいですが、3本足から2本足になっています。

(高流動性の材料が根管孔外にフローしていますが症状はありません。将来的に吸収されます)

この後、残した根はそれぞれ分離され冠をいれる準備をします。

お手入れ方法を説明し3ヶ月間仮歯で過ごして頂き、経過を見ました。

十分に噛めて、お手入れもできることが確認できたため、歯型をとりセラミックの冠をセットしました。

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セラミックの歯の形が通常とは異なっているのは根っこが一つないからです。

残された2つの根の間に歯間ブラシを入れてもらいます(上の写真)。

この部分はとても食べ物がはさまりやすくなり、虫歯のリスクが高い場所です。

治療は終わりましたが、毎日のお手入れと定期的なプロフェッショナルケアが必要になります。

また、さらなる破折のリスクもあるためかみ合わせのチェックも大切です。

毎日のお手入れなど手間がかかりそう、と思う方もいらっしゃるでしょう。

そうなんです。歯を残すということはリスクも残るということです。

今回の破折ケースでは致命傷を免れ歯を保存しましたが、治療後も虫歯や破折のリスクから解放された訳ではありません。

歯を残すことはそれなりの覚悟が必要だと思います。

いっそのこと抜歯して、入れ歯やブリッジ、インプラントの方が楽かもしれません。

(もちろんそれぞれの治療のリスクは新たに発生しますが)

どの治療方法が適切か、患者さんの価値観やかかる時間と費用を考慮しなくてはいけません。

治療方法は最終的に患者さん自身で決めることですが、納得しないまま治療が進んでも良い結果は得られないでしょう。

もし自分の歯が割れてしまった時、治療の判断の一助となったら幸いです。

このケースにおける担当
歯科医:田中、西尾、木方
歯科衛生士:奥田

糖尿病ってどんな病気?

こんにちは。歯科助手・管理栄養士の三田村です。
7月に入り本格的に暑くなってくる季節ですね!

今日は糖尿病についてです。
「糖尿病」と聞くと、どんな印象を受けますか? 
「甘いものの食べ過ぎだ」「太った人がなりやすい」「そんな大袈裟な病気じゃないだろう」そんな誤った印象があるかもしれません。

?糖尿病になるのはなぜでしょう?
 生きていくための大切なエネルギー源として血液中にブドウ糖が存在します。このブドウ糖がなくては生きていけませんが、多すぎてもよくありません。糖尿病とは、この血液中のブドウ糖(血糖)が多くなる病気です。この血液中のブドウ糖の割合を血糖値と呼びます。

?血糖値が高くなってしまうのでしょ?
 健康なひとは、食事をすると一時的に血液中のブドウ糖が増えますが、すい臓から出ているホルモン(インスリン)によってブドウ糖を体内に取り込み、エネルギー源として使うことができる状態にしてくれます。このホルモン(インスリン)の働きによって、血糖値は一定の範囲内におさまってくれるのです。ところが糖尿病の方は、このインスリンが少なくなったり、効きが悪くなったり、ブドウ糖をうまく血液中から体内に取り込めなくなってしまいます。そして血糖値が高い状態(高血糖)が長く続くと、さまざまな合併症を引き起こしてしまうのです。
糖尿病で食べてはいけないものは特にないですが、
栄養バランスや総摂取エネルギーを考えた食事療法を実践することが大切です。炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素をバランス良く取り、ビタミンやミネラルなどを欠かさず取ることが大切です。

以下の3つを意識しながら食事を考えるとよりいいですね♪
☆炭水化物:摂取エネルギーの50~60%
☆たんぱく質:標準体重1kg当たり 1.0~1.2g(1日約50~80g)
☆脂質:摂取エネルギーの20~25%
参考になるのが、「糖尿病食事療法のための食品交換表」です。食品交換表では、食品を、多く含まれている栄養素によって、6つの食品グループと調味料に分けて、80kcal(1単位)のエネルギーを含む食品の重量を掲載しています。
自分の状態に合わせて食事療法・運動療法・薬物療法を行えば、普通の生活を送ることができます。正しい知識をもち、上手に糖尿病と付き合って行きましょう。

受付からのお知らせです。
後期高齢者医療制度の被保険者の皆様へ
令和2年8月1日から新しい保険証のご提示をお願いいたします。7月31日までは現在の保険証を使用してください。
受付にて後期高齢者医療制度のパンフレットを数量ですがご用意してありまのでお気軽にお持ち帰りください。

歯が原因で鼻の病気!?

歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)

歯が原因で蓄膿症(副鼻腔炎)になってしまっている状態です。
大きなむし歯があったり、以前に神経の処置(歯内療法)を受けていることがほとんどです。
一般的に原因である歯を治療し、それでも治らない場合は口腔外科、耳鼻咽喉科で処置が必要になる場合もあります。

実は上顎の奥歯ではレントゲンを撮ると、結構な頻度で歯の根の先の炎症が上顎洞まで進んでいるのを見ます。

無症状であることが多いのですが、何かのきっかけで顔が腫れ上がり激痛が走る場合もあります。

【当院でのケース】

関西方面に単身赴任中の患者様です。
遠方から通院の方はそれだけリスクが増えますので、気が引き締まります。
できればご近所の歯科医院にかかって頂けたらベストなのですが。。。

上顎いちばん後ろの歯の違和感を訴えています。
問診や様々な診査をした後にレントゲンを撮影しました。

根尖病巣がハッキリと写っています(赤い点線の範囲)。

CT撮影しました。

4ブロックに分けた画像で右上の画像を見てください
(見づらくてすいません)。

上顎で歯の上のくもりが左右で異なることに気がつきましたか?
画像の右側は上顎洞の粘膜が腫れて白く写っています
(左右逆に写りますので患者さんにとっては左側です)。

このケースではたまに鼻閉感があるそうですが歯と直接関係しているかはわかりません。
歯の神経をとる「抜髄」処置がされていましたが、
その時は痛みはとれたようですが、残念ながら感染は深いところまで進んでいます。

 

日本の抜髄処置の成功率は世界的に見てかなり低いレベルです。

しかし日本の歯科医の技術レベルは低くありません。
なぜこのような状況なのか。
長くなりますのでまたの機会にコメントします。
(ネットで検索すればすぐに見つかるでしょう)

治療計画を立て、まず被っている冠を外し歯内療法を行うことにしました。

(マイクロスコープ ・ミラー像)

人工物を取り除くと、歯の根っこの中からウミが出てきました。
白っぽく写っている液体がそれです。

周囲がグリーンに写っているのがラバーダム、歯の周囲の青色のものが密封するためのプラスチックです。

歯の中のバクテリアを減少させるのが今回の治療の目的です。

歯をしっかり隔離し唾液などからの感染を防ぐことは治療の基本中の基本です。

もちろん使用器具はしっかりと滅菌されています。

今回の場合は「リトリートメント」と言って治療した歯の再治療です。
通常の治療よりも当然難易度は高くなります。

特に注意することは根管内を消毒する時に多量の消毒液を使用します。
この際、薬液が上顎洞まで漏れ出してしまうと重篤な問題が生じます
(ヒポクロアクシデント)。

どんなに注意深く施術しても、根の先が壊れていて漏れやすい構造になっている場合もあります。

それでも洗浄・消毒しなくては治りません。
根の治療はホントに難しいといつも思います。

根の先の病巣まで器具が届いたことを確認したレントゲン写真です。
根の先は肉眼では見えませんしマイクロスコープ でも確認できない場合はレントゲン写真を撮影します。

今回のように膿が出てくるケースは比較的簡単に病巣までタッチできます。

しかし根の神経の管が詰まっている時は、とても苦労します。

歯科医も頑張りますので、患者さんも頑張って諦めずに通院して下さいね!!

根充(根の中を封鎖すること)後のレントゲン写真です。

仮封までしているためラバーダムをはずして撮影しました。

根尖病巣は縮小しています。

(最初のレントゲン写真と比較してみてください)

臨床的な所見は特にありません。

鼻閉感はなんとなく少なくなったと聞きました。

今後仮歯で経過観察し、良好ならば冠をかぶせる治療に移ります。

 

歯性上顎洞炎は歯を抜いてしまえば、跡形もなく治る場合がほとんどです。

しかし少しでも歯を残したいとお考えの方はかかりつけの先生にご相談すると良いと思います。

このケースにおける担当
歯科医:田中
歯科衛生士:奥田

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