意外と知られていない抗生物質の意味

意外と知られていない抗生物質の意味

こんにちは、たなか歯科クリニックの歯科医師の岡島多翔幸です。

一週間ほど前、私の息子が風邪をひいてしまいました。
私も息子からうつされてしまい、症状はだいぶ落ち着いたものの、声はガラガラのままです。
ここ数日間は、薬漬けの日々でした。

薬を飲みながら、ふと思いました。今は実にたくさんの薬があるなと。
咳・痰を抑える薬に、鼻水を和らげる薬、熱を下げる薬、胃腸を整える薬、細菌を殺す薬。
風邪にかかっただけでも、何種類も薬があり、諸症状に対応してくれます。

本日のブログでは、それらの薬の一つ、歯科でもよく使われる「細菌を殺す薬」である抗菌薬についてお話ししたいと思います。

まず、抗菌薬と抗生物質の違いについてお話ししたいと思います。この二つは、概ね同じものではありますが、正確には異なるものです。

抗菌薬は、病原微生物に対して強い親和性を持つ薬剤を投与して、細菌を死滅または増殖を抑えるものです。
抗菌薬には、化学合成によるもの、微生物が産生するもの、微生物が産生したものに化学的に色をつけたものがあります。
このうち、微生物が産生したものを特に抗生物質と呼びます。

つまり、抗生物質は抗菌薬の一部でしかないわけです。
江戸時代にタイムスリップした脳外科医の南方仁を主人公にしていたドラマ「JIN-仁-」の中でもフォーカスされたペニシリンは、微生物が作るので抗生物質であり、また勿論、抗菌薬でもあります。
がしかし、人工的に作られた抗菌薬の場合、抗生物質ではないので、抗菌薬と抗生物質は使い分ける必要があるのです。

抗菌薬には、非常にたくさんの種類があります。βラクタム系、マクロライド系、ニューキノロン系、グリコペプチド系、テトラサイクリン系、アミノグリコシド系。
ざっとあげるだけでもこんなにあります。

上三つがよく使われる抗菌薬とされますが、歯科では、βラクタム系のフロモックス、マクロライド系のアジスロマイシンがよく使われます。

抗菌薬は、作用機序が異なり、また肝臓で排出されるか、腎臓で排出されるかといった違いもあるので、これらを考えた上で私たちは処方をしています。

また、抗菌薬は、ウイルス感染には全く効きません。
ウイルス感染には、抗ウイルス薬で対応するのですが、全てのウイルスを制覇しているわけではなく、これからも開発が必要です。

現在、非常にたくさんの薬があります。
薬は有意義なものである一方、使い方を間違えれば毒にもなります。
用法容量は守って正しく使いましょう。

たなか歯科クリニック
岡島多翔幸

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