なかなか治らない、下唇の水ぶくれ

なかなか治らない、下唇の水ぶくれ

こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠です。

3年ぶりに行動制限なく迎えた 今年のお盆休み。皆様は いかがお過ごしでしたか? 
私は、犬山の 木曽川鵜飼 に行ってきました! かがり火が幻想的な 幽玄の世界。初めて見る風情漂う 夜の鵜飼を、屋形船から涼しげに観覧したのが、夏の忘れられない思い出です♪

ところで、皆さま “下唇に水ぶくれができて、なかなか治らなかった” 経験はありますか?

診療の中でも、時々 そのような悩みで相談される患者様がいらっしゃいます。
痛みも無いし、たまに潰れたりするけど、また繰り返し膨らんでくる、謎の水ぶくれ。
その正体は、多くの場合 『粘液嚢胞』 と呼ばれるものです。

ご安心ください。そんなに悪い物ではありません。
「腫瘍」のような “組織の増殖” ではなく、「嚢胞」は “液体で満たされている膨らみ”。まさに、水ぶくれです。粘液嚢胞の場合、その中身は『唾液』。

何故このようなものができるかというと……?

まず 下唇の中には実は 「小唾液腺」 というものが無数に存在しています。
唾液腺は、唾液を作り出す源。そこから排出管を通して お口の中に分泌されます。(「大唾液腺」は、耳下腺・顎下腺・舌下線と3つあるのですが、「小唾液腺」も 口唇泉・頬泉・口蓋泉・舌泉 など、お口の中の粘膜全体に存在し、その粘膜表面を潤しています)
何らかの原因で、小唾液腺の排出管が詰まってしまうと、そこで唾液がせき止められ、貯留し、その結果ドーム状に膨らんで生じたのが 『粘液嚢胞』 というわけです。

大きさはだいたい5mm前後。色調は、口唇粘膜内の どの程度の深さに詰まりが生じたかによって異なり、比較的表面近くにできたものは半透明で、深い所にできたものは周りの粘膜と同様の色をしています。

原因としては “外的な刺激” がほとんど。例えば、「唇を咬んでしまった」 「食べ物などが強く当たった」 「火傷をした」……等々。小唾液腺は、大唾液腺に比べて排出管が細いため詰まりやすく、口唇にできやすいのは やはり外的刺激を受けやすい場所だからです。

そして、粘液嚢胞の治療法です。

経過観察して、消失するようでしたら特に治療は必要ありません。小唾液腺の詰まりが無くなり、貯留していた唾液が排出されれば膨らみは消えていきます。
ただ、注意なのは そこにまた刺激が加わってしまうと、治りにくく、再発しやすくなってしまいます。膨らみが気になるとは思いますが、触り過ぎたり、また噛んでしまわない様にしましょう。

それでも粘液嚢胞がなかなか小さくならない場合、あるいは治っても繰り返しできてしまう場合は、「原因となっている小唾液腺ごと外科的に摘出・切除する」 方法があります。
前述のように口唇には無数の小唾液腺があります。嚢胞の原因となっている一つを除去しても、唾液分泌に何の支障もありません。それに、その手術もそんなに大がかりなものではなく、比較的簡単に済みます。

ちなみに粘液嚢胞は、下唇が好発部位ですが、他の小唾液腺が存在する所にもできることはあります。
「あれ、これってそうなのかな??」と、お悩みの方。ぜひご相談ください。

千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠

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