新型タバコと歯周病について

新型タバコと歯周病について

こんにちは千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の堀毛です。
9月も後半になり日ごとに秋の気配を感じるようになりましたね。朝晩はだいぶ過ごしやすく感じられるようになりました。

今回のブログでは喫煙の与える影響についてお話しさせていただきたいと思います。
喫煙は歯周病の最大のリスクファクターだということはご存じでしょうか?
喫煙者は非喫煙者と比べて歯周病にかかりやすく、悪化しやすいことがわかっています。口は体の中で最初に喫煙の影響を受ける部分です。タバコの煙や成分は、口の中に入ると粘膜や歯ぐきから吸収されます。吸収されたタバコの有害物質は、血管を収縮し、歯ぐきの血流量を減少させます。血液循環が悪化して歯ぐきに十分な酸素がいきわたらなくなると、歯周ポケットの中で歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。歯ぐきからの出血は、炎症という正常な生体防御反応のサインですが、喫煙者では血管収縮による血行不良により炎症が抑えられるため、歯ぐきの出血や腫れが現れにくいことが特徴です。また喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病の治療の効果が低いことも問題です。
次の症例を見ていただきたいと思います。

一卵性双生児でも大きな差が出るほど、喫煙の影響は大きいです。一卵性の双子の姉妹で下はノンスモーカーの妹で歯周炎はありません。上の姉はヘビースモーカーで「来院の数年前からどんどん歯が自然脱落してきた」と来院されたそうです。この2人をみているだけでも喫煙の歯周病に対するリスクの高さが感じられると思います。

次に新型タバコについてお話ししていきたいと思います。
WHO世界保健機関タバコ規制枠組み条約が2004年に発効して、その後地球規模で新型タバコが流行しはじめました。2019年の国民健康・栄養調査によると、喫煙者の4人に1人が加熱式タバコを使用しています。このうち、約24%が紙巻タバコとの併用者です。タバコ会社による広告やプロモーションは、さまざまな形でおこなわれてきましたが、加熱式タバコは安全であると誤認させる事例もあることが指摘されています。
加熱式タバコ等の新型タバコについての注意喚起情報をみなさんにお伝えしたいと思います。
1、加熱式タバコには多くの有害科学物質が含まれています。
加熱式タバコは、タバコの葉を加熱して発生させたエアゾルを吸引するタバコ製品です。加熱式タバコのエアゾルには、紙巻きタバコの煙と同様にニコチンや発がん性物質等の有害化学物質が含まれています。また、呼出されたエアゾルにも発がん性物質が含まれています。
2、紙巻タバコと比較して加熱式タバコの健康影響が少ないかどうかは明らかではありません
加熱式タバコは市場に登場してから歴史が浅いことから、長期的な健康影響については不明です。これは口腔への影響についても同様です。加熱式タバコの使用は紙巻きタバコと比較してニコチン以外の主要な有害化学物質の暴露量は少ないかもしれませんが、暴露に安全域というものはなく、現時点でタバコ関連疾患のリスクが減るという科学的根拠はありません。タバコの葉を使用しない電子タバコは、加熱式タバコの先行して流行し、口腔をはじめとする健康被害の情報が蓄積されてきました。
3、加熱式タバコの使用は禁煙を阻害する可能性があります
加熱式タバコは、紙巻タバコとほぼ同量のニコチンが含まれています。したがって、紙巻タバコから加熱式タバコに完全に切り替えたとしても、タバコへの依存が持続するため、禁煙することが困難になります。電子タバコでは禁煙の効果があるとする報告が一部にありますが、加熱式タバコはそもそもタバコ製品であるためニコチン依存の人の禁煙の意思を低下させて、喫煙の継続を長引かせることになります。

診療をしているなかで患者さまに喫煙についてお話を伺うと紙巻きタバコから電子タバコに変えたという方は多くなっているなと感じます。たくさんの情報が流れているなかで、みなさんの全身の健康と歯周病の治療の効果を確保できるように新型タバコについても正しい情報をお伝えしていきたいと思います。

千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士 堀毛南実

名古屋市 千種区 覚王山で歯医者・歯科医院をお探しの方はたなか歯科クリニックにご相談ください。

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