知覚過敏ってどうしてなるの?

知覚過敏ってどうしてなるの?

こんにちは、たなか歯科クリニックの歯科医師の岡島多翔幸です。

最近、少しずつ暑くなってきましたよね。夏の始まりを感じます。

こうなってくると、そろそろ冷たいアイスを食べたくなる方もみえるのではないでしょうか。
アイスなどの冷たいものを食べると歯にキーンと鋭い痛みがあることがあります。
この症状がある方は、知覚過敏症である可能性があります。

本日は、知覚過敏症についてお話ししたいと思います。

知覚過敏症の正式な名前は、象牙質知覚症。
歯には痛みを感じないエナメル質と、感じる象牙質があります。歯のあたまは、このエナメル質に覆われていますが、その下は象牙質でできています。

歯周病で歯ぐきが下がってしまったり、炭酸飲料やスポーツドリンク、ワインを常飲して歯の頭が溶けてきたりすると、象牙質が出てきてしまうので、冷たいものや甘いもの、歯ブラシの刺激などが痛みとして感じるのです。

また、くいしばりや歯磨きの際の力が強すぎたりすると、歯の一部が欠けてしまい知覚過敏症になる場合もあります。
この他にもホワイトニングや歯周病の治療の後に一時的に知覚過敏症になることもあり、知覚過敏症と言っても様々な原因があります。

では、知覚過敏症になってしまったら、どうすれば良いのでしょうか。

まず、薬を象牙質に塗り込む方法があります。

先程、象牙質には知覚があると申しましたが、その象牙質の表面には、ものすごく小さな穴が無数に開いており、そこに刺激が加わることで痛みが出ます。

そこで、この穴に薬剤を塗って塞いでしまうのです。

この他にも、あまり一般的ではないですが、レーザーを歯に当てることも知覚過敏症の治療の一つです。
象牙質表面の穴を塞いだり、刺激を伝えにくくすることができるのです。

冷たいものを食べて、「知覚過敏かも!」と思われたら、一度私たちにご相談ください。

たなか歯科クリニック
岡島多翔幸

消毒ってどうやるの?

こんにちは、たなか歯科クリニックの歯科医師の岡島多翔幸です。

先日、来院された患者様がふとおっしゃいました。

「歯医者さんっていっぱい器具がありますけど、どうやって消毒とかしてるんですか。」

歯科医院での器具の管理については、知る機会がなかなか無いですし、疑問に思いますよね。

本日のブログでは、歯科医院での感染予防である、滅菌と消毒についてお話したいと思います。

今、「滅菌と消毒」と申しましたが、「滅菌って消毒とどう違うの?」って思われた方もいらしたと思います。

まず、歯科医院での器具の管理を知っていただくにあたって、この違いを理解する必要があります。

消毒は、よく耳にする言葉ではありますが、この言葉は、生存する微生物の数を減らして、感染力や毒力を可能な限り低下・消滅させることを言います。

一方、滅菌とは、すべての微生物を完全に死滅・除去して無菌状態をつくることを言います。

つまり、滅菌とは、消毒よりも強い殺菌状態を指すわけです。

当院では、この滅菌を行うために、「高圧蒸気滅菌」を採用しています。

高圧蒸気滅菌は、多くの歯科医院が採用している方法で、オートクレーブという機器を用いて、高圧の蒸気で滅菌する方法です。

115〜118℃で30分間、121〜124℃で15分間、126〜129℃で10分間といった目安を元に、滅菌を行います。

オートクレーブは短時間で、滅菌状態を得ることができる優れた機器なのです。

しかし、このオートクレーブ。欠点もあります。

それは、「熱に耐えれないものには使用できない」という点です。

例えば、プラスチック製の歯科製品。
プラスチックに熱を加えると溶けて変形してしまうため、オートクレーブは使用できません。

そこで、使用される方法が、ガス滅菌や薬剤による消毒になります。

ガス滅菌とは、エチレンオキサイドやホルムアルデヒドのガスを使用した滅菌で、

前者のエチレンオキサイドガス滅菌は、マイルドな温度の40℃で、湿度40%の条件下、器具をポリエチレンフィルムに包み込み、ガスで2〜4時間程度処理する方法です。

また、プラスチック製品に関しては、次亜塩素酸ナトリウム液(掃除でよく使うハイターのことです)で消毒することも非常に有意義な感染対策と言えるでしょう。

患者様が、安心して治療できるよう今後も努めて行きたいと思います。

たなか歯科クリニック
岡島多翔幸

超音波でのお掃除はどんな効果があるの?

みなさんこんにちは(^^)♪
千種区のたなか歯科クリニック歯科衛生士の堀毛南実です。
最近は朝、空が明るくなる時間が早くなってきましたね。
日傘の出番が増えて、季節は初夏へと進んでいます。しかし朝晩はまだ気温が低く体調管理には気をつけないといけないですね。

今回は、いつも私たち歯科衛生士が使用しているクリーニングの道具についてお話しさせていただきます。
よく歯医者さんでのクリーニングで使用するお水と振動の「ジジジ」と音がする機械は『超音波スケーラー』と言います。
超音波スケーラーは、高周波の電気エネルギーを超音波機械振動に変換したパワーを活用します。変換された超音波機械振動のエネルギーによって、機械的な作用として、歯石などの沈着物を歯から粉砕剥離することができます。超音波スケーラーのチップは1秒間に25,000〜40,000回の往復運動をしています。
超音波スケーラーはチップそのものが媒体となり振動エネルギーを吸収して高温化します。そのためチップの高温化を防ぐために、チップ先端から冷却水が放出されるよう設計されています。放出された水滴内で発生した気泡はぶつかり合って大きなエネルギーを放出します。これをキャビテーションといい、このキャビテーションの作用により、歯と歯茎の境のポケット内に残留した歯石の除去も期待できるのです。チップを直接施述部位に当てることなくポケット内のバイオフィルム(細菌の集まり)を破壊することができるとも報告されています。また、歯の表面やポケット内の細菌を破壊し、歯の根面から内毒素も除去する効果があると言われています。
超音波スケーラーから発生する冷却水により作業部位に水の流れが生じます。その水流によって、ポケット内を洗浄し環境改善を図ることもできます。
また超音波振動により発生したエネルギーによって、周囲の液体中に渦状の水が流れるためキャビテーションの効果が期待できます。また、激しい水の流れはバイオフィルムの破壊に寄与すると言われています。

超音波スケーラーを使用することで効率よく短時間での作業が可能になり、患者様の苦痛時間は少なくなり、またパワーを調整できるため必要以上の苦痛を与えずに作業することができます。そして、歯面や軟組織の損傷が少ない操作が可能になります。
特有の音や振動はありますが、決して痛いものではありませんのでリラックスしてクリーニングを受けていただけると思います(^^)♪

千種区 たなか歯科クリニック
歯科衛生士 堀毛 南実

キシリトールの働き、知っていますか?

こんにちは!千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の肆矢紗希です。

今日は、ガムなどに含まれている“キシリトール”についてお話ししていきます。一度は耳にしたことが
あると思いますが、どんな働きがあるのかご存知でしょうか?

キシリトールとは天然の甘味料で、シラカバなどの樹木から採れます。主にフィンランドで生産されており、
私たちの食べている野菜や果物にも含まれている身近な素材です。
キシリトールは砂糖に代わる甘味料として利用されており、代替甘味料としての以下の条件を満たしています。
①食べて安全
②十分な甘味を有する
③砂糖に匹敵するほど価格が安い
④加熱しても安定で甘さを失わない

これらのことから、キシリトールは砂糖に似ているということがお分かりいただけると思います。
しかしここから砂糖との違いである、キシリトール独自の働きについてご説明していきます。

◎善玉ミュータンス菌が優勢になる
ミュータンス菌には虫歯をつくる力の強い「悪玉菌」と、虫歯をつくる力の弱い「善玉菌」の2種類が
あります。キシリトールはその悪玉菌を減らすので、善玉菌が優勢になり虫歯になりにくいお口になります。

◎ミュータンス菌が減る
プラーク(歯垢)中のミュータンス菌の数は、キシリトールを取り続けることで、1年後には数が半分以下に。さらに2年後には4分の1まで減少します。

◎歯を溶かす酸はゼロ!
ミュータンス菌は糖分から歯を溶かす酸を作り出します。しかしキシリトールから酸は全く作られません!

◎ミュータンス菌がうつりにくくなる
キシリトールを妊娠6ヶ月のお母さんが13ヶ月間食べた研究では、生後1歳時点でお口にミュータンス菌が
いた子どもは、食べていないお母さんの子どもと比べて4分の1以下です。

◎糖尿病の人にも安心
キシリトールは血糖値を上げにくい甘味料です。そのため糖尿病の方の食事にも甘味料として長年
使われています。

★まれにお腹がゆるくなる人もいますが、これは食物繊維のように消化されにくいためです。

〜キシリトール製品の選び方〜
・キシリトールの含有量が多い:100%に近い数字であればあるほど効果的。
・ショ糖(砂糖)が含まれていないもの
・酸をつくりださないもの:柑橘類などの香料が多量に含まれる場合も要注意です!

〜効率的なとり方〜
毎日、食後や間食の後など回数を多く取ると効果的です。
1日5〜10gが目安。甘味料としてキシリトール100%入りのガムなら、例えば食後に、1日3回3粒ずつがおすすめです!

ついつい間食してしまう、という方はぜひキシリトールのものに置き換えてみてはいかがでしょうか?

千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士肆矢紗希

歯周病治療ってどんなことするの?

みなさんこんにちは!医療法人TDCたなか歯科クリニック歯科衛生士の小栗沙紀です。

今日は私たち歯科衛生士が行なっている歯周病治療についてお話をしたいなと思います。

歯周病はかつて歯槽膿漏と言われていた病気で、歯を支えている歯茎や骨(歯槽骨)が破壊される病気です。

歯周病菌は酸素を嫌う性質なので歯と歯茎の間のせま〜い隙間(歯周ポケット)の奥へ奥へと入り込み悪さをしていきます。
この細菌と戦うために体は兵隊(白血球)を出します。ここで白血球が勝てば良いのですが、体が弱っていたり、菌の量が多かったりすると白血球では対処できなくなり司令塔(免疫細胞)が歯槽骨に歯周病菌から逃げるように指令をだし、骨が破壊され、歯がグラグラするなどといった症状が出てきます。
そして何と言ってもこわいのがその破壊されてしまった骨は戻すことができないんです。恐ろしいですよね…
それ以上破壊されないようにコントロールをしていかなければなりません。

このこわ〜い歯周病、治療には通院も必要ですが、患者さんの参加なしには治りません。

一番の治療はみなさんがお家でする”ハミガキ”なんです。

①ハミガキ指導
歯周病の治療はまずハミガキ指導から入ります。
ハミガキ指導なんて面倒かと思うかもしれません。今さら必要?とも思うかもしれません。
が、きちんと磨けていない状態で治療をしてもまた自宅に帰って磨けていなければ一向に状態は改善しません。それに歯茎が腫れていたままでの歯石除去は痛みが出やすいですし、歯茎からの出血により歯石が見づらくなり歯石除去の妨げになります。

まずは出血のない炎症が引いた状態の歯茎にするために歯周ポケットに菌が入っていかないよう歯と歯茎の境目を毎日綺麗に磨きましょう。

これが歯周病治療の第一歩です。

②歯石除去
歯茎が落ち着いてきたらいよいよ歯石の除去をして行きます。歯石は硬くはにこびりついていますので歯ブラシでは取れません。私たち歯科衛生士の出番です。歯石は軽石のような構造をしていて、中が穴ぼこだらけです。細菌の住みかになってしまいますのでしっかり除去して行きます。
スケーラーという専用の器具で歯石をはじいて行きます。

③再評価
歯石を取り終えたら歯を支えている組織の状態が落ち着いているか再度確認します。ここで歯石の取り残しなど見つかればもう一度歯石除去をします。

④メインテナンス
長い治療が終わりました。お疲れ様です(^^)
でもここで終わりではありません。ここからがスタートです。
またハミガキを怠れば簡単に元通り。
再発しないように定期的にクリーニングを受けましょう!

簡単な説明ではありますが歯周病治療はこのように進めて行きます。
日本では30歳以上の方の80%が歯周病にかかっているとも言われています。
心配な方はぜひ歯科の受診をしてください!

千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士 小栗沙紀

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