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虫歯を治せば口臭もなくなる?

「においのきついものを食べているわけでもないし、歯もきちんと磨いているはずなのに、なんだかお口の臭いが気になる…。」
「口臭ケア」と聞くと、つい食べ物が原因だったり、口の中が清潔じゃないといったことが思い浮かぶかもしれません。
口臭の原因はいろいろありますが、その中の一つに虫歯があります。今回は虫歯と口臭の関係について、またその対策について考えてみましょう。

ご存じのように、虫歯は歯が虫歯の菌に「感染」することによって引き起こされます。わたしたちの口の中には常に、ミュータンス菌と呼ばれる虫歯の原因菌が存在しています。この菌は、食べ物に含まれる糖分をえさとして、酸を作りだします。歯磨きを怠ったり、磨いているつもりでもきちんと磨けていなかったりすると、このミュータンス菌が活発に動いて、酸をどんどん作ります。この酸により、歯の表面が溶かされていき、虫歯になります。
さて、この虫歯を作る過程に、口臭の原因があります。虫歯が進行していくときに、この酸と、食べカス(糖分)の分解臭が混ざって独特の臭いを出しますが、このにおいが、虫歯による口臭なのです。

実は、こうした虫歯による口臭の場合、本人は気が付かないことが多いです。なぜかというと、虫歯を放置しておく人は、口の中の健康に、あまり関心がない傾向があるからです。虫歯の原因は一つではありませんが、お口のケアへの関心度が低い人は、虫歯のできやすい人、結果として虫歯による口臭になりやすい人ということになります。

もちろん、お口のケアをきちんと意識している人でも、虫歯になることがあります。例えば、以前に歯科治療をして、歯の上にかぶせ物をしたときに、少しでも隙間が開いていると、そこから食べカスが入ってしまい、知らない間に虫歯になっているということがあります。こうしたケースだと、かぶせ物の下で、虫歯がどんどん育ってしまい、ひどい悪臭を放ってしまうのです。

だれもが自分のお口が清潔で、健康であることを願うものですね。千種区の歯医者さんたちも、そうした願いをこめて、治療を行っています。もしも口臭などで気になることがありましたら、まずは歯科医院に足を運んで、虫歯がないかチェックしてみてください。
また、虫歯がなくても口臭がある場合があります。当院では「ガスクロマトグラフィー」と言われる高精度の口臭測定器があります。保険適応ではないのですが気になる方はチェックしてみるのも良いですね。

虫歯と甘い物の関係

子どものころ歯医者さん通いをしていたわたしは、ある日思い切って「チョコレート断ち」をしました。虫歯の治療にともなう痛みに耐えきれなくなり、原因と思えるチョコレートを食べないことにしたのです。その「チョコレート断ち」はしばらく続きましたが、大人なった今でもチョコレートは大好きです。さて、子ども時代、「甘いものの食べ過ぎ=虫歯になる」と信じ込んでいた方も意外に多いかもしれませんが、果たしてそれは本当なのでしょうか。

歯科学的に考えると、虫歯の原因は虫歯菌が作りだす酸にあります。甘いものに限らず、食べ物を食べたあと、通常は歯と歯の間、歯と歯茎の間、また歯のすき間などに食べカスや糖分が残ってしまいます。まず、その食べカスがやがて歯垢(しこう)と呼ばれる、ねばねばした白いものへと変化していきます。実は歯垢は細菌の集合体で酸を作りだしています。
宝石の水晶と同じほどの硬さを持つ人の歯ですが、酸には弱く、少しずつ溶けていきます。
歯の表面が溶けただけでは痛みはありませんが、さらに虫歯が進み、歯の内部にある神経に達すると、かなり痛みが出てきます。ですから、この状態になる前に、気づいて治療することは大切です。

さて、甘いものと虫歯の関係ですが、虫歯菌は糖分をえさとして、酸を作りだします。甘いものを常に口に入れていると、虫歯菌のえさが常にたくさんある状態になります。そうなると、虫歯菌が口の中で活発に動いて酸を作りだしてしまうため、自然と虫歯ができてしまうのです。もちろん、甘いものを食べないに越したことはありませんが、もっと大切なのは、食べ方です。食べるときには時間を決めて食べ、食べたあとにはすぐ歯を磨く、それによって口の中を常に清潔に保っておきさえすれば、簡単に虫歯はできません。

さて、虫歯の原因がわかったところで、今やるべきなのは、虫歯の予防です。千種区の歯科医院でも、虫歯のない歯を目指して、ブラッシングの指導に力を入れています。虫歯予防のために大切なのは、「チョコレート断ち」ではありません。毎日の食後の歯磨きを忘れずに、健康的な生活を送っていきましょう。

歯周病の放置が引き起こす結末…

子どもの頃の嫌な思い出が原因で、歯科医院から足が遠のいてしまっている方が意外にいらっしゃいます。
「自分の歯は丈夫だし、今のところ虫歯らしきものもない」と安心しておられる方、要注意です。日本では35歳以上の方のなんと8割が歯周病を患っていると言われています。
しかし、自覚症状がほとんどないため歯医者さんにかかることもなく歯周病が進行してしまい、気が付いたときには時すでに遅し…なんていうこともあります。ぜひ歯周病の徴候に注意して、予防、そして早期の治療に取り組んでいただきたいと思います。

歯医者さんは歯周病の進行を通常4段階に分けて把握します。すこしご紹介してみましょう。
第一段階は歯周組織は健康で、正常な状態を指します。しかし、ブラッシングが不十分だったり、プラーク(歯垢)の除去がきちんとなされないと、次の第二段階に入ります。
これは歯茎が赤く腫れている状態で、軽度の歯周病です。歯周ポケットが破壊され、歯肉と歯の間に隙間ができ始めている段階です。これが続くと、歯が歯肉が離れ始めます。
第三段階はまさにその状態です。中程度の歯周病で、場合によっては歯は水平に動揺するまでになります。
そして、最悪の状態、第四段階は、歯垢は歯石にかわり歯の根の部分にまで付着、歯肉と歯の間にはかなりの空間が生じ、歯は水平・垂直動揺するという恐ろしい状態です。ここまで来るともはや打つ手は抜歯しかありません。

歯周病にかかると、生活のさまざまな面に影響が出てきます。例えば、歯茎が痛んだり、口臭がしたり、歯が抜けたりすると、食べ物をかんで味わうことが難しくなります。また、話し方や外見も悪くなってしまうかもしれません。さらに、口内の健康状態は体全体と密接に関係しているということも、さまざまな研究からわかっています。

平成24年の調査によりますと、千種区は、働き盛りの40〜44歳の方の人口が一番多いようです。これは、歯周病になりやすい年代の方が多いともいうことができます。
まずは、歯周病にかかっているかにかかわらず、定期的な歯科検診をお勧めします。そして、正しいブラッシングと生活習慣で、歯周病を予防していきましょう。

歯科医院のレントゲン写真の種類

X線、レントゲンと聞くと骨折をしたときなど外傷を負ったときに撮影するものを思いだされるかもしれません。しかし、このレントゲン、外科だけでなく、歯科でもとても重要なのです。歯と歯の間や、見えない顎の部分など、診察しただけではわからないところをきちんと治療するためにはレントゲン写真が必要になります。ここではその種類についてすこしご紹介してみたいと思います。

親知らずの抜歯を経験したことがある方なら、かならずとったことがあると思われるのが、パノラマレントゲン写真と呼ばれるものです。被曝量の少ないデジタルレントゲンでとったパノラマ写真のことは、略してデジパンと言ったりもします。

この写真は歯の全体を写したもので、これによって骨の中の異常や神経の位置などを知ることができます。親知らずの治療に加えて、インプラントや歯周病の診断のときにも必須です。ただ、このタイプですと、全体像は一気に見渡せるものの、細かな部分が鮮明に見えるわけではないので、虫歯の診断などには向いていません。さて、もっと詳細な診察のため、鮮明な画像が必要なときは、デンタルという小さいレントゲンをとります。一気に撮影できる範囲は限られていますが、その分、細かいところまでみることができるのです。

他にも矯正のときにはセファロというレントゲンを撮影することがあります。正式名称は頭部X線規格写真といって、一定の規格の従って撮影された頭部のレントゲンです。正面からとる「正面頭部X線規格写真」と横からとる「側面頭部X線規格写真」があります。このセファロにおいては、一定の規格が決められているので、治療の前と後の比較を行うことが簡単にできます。矯正も時間がかかる治療ですから、このセファロによって、その矯正過程を確認することができるのです。

これらに加えて、顎関節をみたいときは断層撮影という種類のレントゲンをすることもありますし、インプラントや根管治療などで3次元的に歯の状態を知りたいときにはCTを利用することもあります。CTだと保険の適用外のこともあります。

以上、ざっと歯科医院で歯医者さんが行うレントゲンの種類をご紹介しました。千種の歯科医院にもさまざまな種類のレントゲンがあり、必要に応じてベストな治療が行われます。

歯科医院でのレントゲンの被曝量

東日本大震災ののち、多くの方々が放射能の被曝に関してとても敏感になりました。千種区のみなさんも決して例外ではないと思います。当院を訪れる方の中にも、歯科医院でのレントゲンに関して心配なさる方がたくさんいらっしゃいます。歯医者さんの側で説明しても、聞く耳をもたず、とにかく心配だからレントゲンはしないで欲しい、という方もおられるくらいです。そこで改めてこの問題についてお話し、千種区の皆さんにも安心していただきたいと思います。

歯科医院で行うレントゲン撮影の主な種類には、通常の口腔内撮影、歯科用パノラマ撮影、さらに、CT撮影があります。歯科用パノラマ撮影は口全体をレントゲン写真として撮影する方法です。全体の大まなか歯の状況、神経の位置などを知るために使われます。親知らずの抜歯をしたことがある方は撮影経験がおありかもしれません。また、CT撮影では、レントゲンよりもさらに詳細で鮮明な画像を得ることができます。

東京歯科医師会が出している資料によれば、口腔内撮影1枚とると、被曝量は0.01mSv(ミリシーベルト)、歯科用パノラマ撮影は1回0.03mSv、CT撮影であれば、1回0.1mSvになります。もちろん、歯科医院の用いている機器によっても多少の違いはあります。

ただ、こんなデータだけ提示されても安全なのか、危険なのかよくわからないと思いますが、日本人の自然放射線量は年間で平均1.5mSvと言われています。そう考えると、すくなくともレントゲンに関しては微々たる被曝量だと言えそうです。さらに言えば、100mSvでは、癌などの発生確率は限りなくゼロとされていますから、よほど頻繁にCTの検査を受けるのでもない限り、過度の心配は必要ない、といえるでしょう。

こうしたデータが確立されていますので、歯医者さんの視点から言わせていただくなら、最小限の被曝で済むなら、有効な治療のためのレントゲンはむしろ必要ということになります。例えば、レントゲンを撮って虫歯や歯周病を発見できるなら、その被曝は有効だったといえるのです。ですから、「被曝」と聞くだけでその量がどのくらいなのかも確かめず、レントゲン治療を受けない、というのは決して賢明なことではありません。

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