よくある質問

2015/10/28
(メール相談)神経を抜かないで治療できますか

(メール相談:30歳代男性より)

1 3本の歯に関する質問
 現在、以下の3本の歯に問題があります。
(1)右上3番
 今年の4月に、激痛ではありませんが、冷たい風が当たったりすると嫌な痛みを感じるようになりました。歯科医院で歯を「カンカンカン」とたたいてもらい、「痛い」と申し上げました。すると、レントゲンを撮るまでもなく、「神経を抜くしかない」と言われました。現在も激痛はありませんが、そこで食べ物を噛むと痛みます。また、お風呂に入ると痛むことがあります。神経を抜かない治療ができる可能性はありますか。

(2)右上5番
 昨年4月、レントゲンを撮っていただき、深い虫歯があると言われました。当時、それほど痛くはありませんでした。6月の治療後、そこで食べ物を噛むと依然として痛みが残りました。先生に「カンカンカン」とたたいてもらい、「痛い」と申し上げました。先生は「これ以上削ると神経が出てしまうので、痛みが気になるのであれば神経を抜くしかない」と言われました。現在も当時と同じような状況です。神経を抜かない治療ができる可能性はありますか。

(3)左上5番
 現在一番気になっている歯です。2011年11月に少し痛みを感じるようになり、先生に応急処置をしてもらいました。その後、2012年1月に、激痛が起こり、急いで治療をしてもらいました。先生に、「これでも状態が良くならないのであれば神経を抜くしかない」と言われました。治療後、痛みはかなり緩和されました。
 昨年4月、この歯の詰め物が取れたため、別の歯医者さんを受診したところ、この歯が、また虫歯になっていたようなので、再び治療をしてもらいました。治療後、そこで物を噛んだり、頭を傾けたりすると、痛みを感じました。先生は「これ以上削ると神経が出てしまうので、生活に支障があるならば、神経を抜くしかない」と言われました。
 ところが、1ヵ月半ほど前から時々、この左上5番の歯のあたりから、歯磨きの時に出血するようになりました。どろっとした血で独特のにおいがあり、膿んでいるような感じがしました。また、肉などを噛むと、長時間痛みが続くこともありました。しかし、現在は出血はなくなり、痛みもなくなりました。時々、独特の口臭は気になることもあります。ただ、頭を傾けると少し痛みます。
 この左上5番の歯ですが、神経を抜かずに治療できる可能性はありますか。

2 「歯を守る、段階的に虫歯を取り除く治療法」に関する質問
 
 HPにて、田中先生のクリニックでは、「神経まで達する深い虫歯でも、可能な限り、神経を抜かないで治療して下さる」と書いてあるのを拝見致しました。そのための具体的な方法として、一度に虫歯を全部取らずにあえて虫歯を一部残し、消毒作用のあるセメントで封鎖するという治療方法を行っていらっしゃるとのことですが、この治療法について、2点お伺い致します。

(1)この治療法は、ドックスベストセメント療法とはどこが違うのですか。
(2)この治療法は、保険が利きますか。

3 神経を抜く治療に関する質問

 田中先生のクリニックでは、神経を抜く治療を行う場合、(1)リーマーという器具を使用して、手作業で神経を取り除く。(2)その際、
拡大鏡を使用する とのことですが、(1)と(2)は、保険は利きますか。

4 歯の神経に関する質問

(1)神経を抜いた場合、歯に栄養や水分が供給されなくなるため、歯が弱くなり折れやすくなるという話を聞きますが、それを防ぐための治療法はありませんか。
(2)虫歯菌が神経の中まで進行し、神経が死んでしまうと、痛みを感じなくなるという話を聞きます。神経が死んでしまった場合、たとえ神経を抜いてはいなくても、もはや、栄養や水分は、その歯に供給されていないのでしょうか。また、神経が死んでしまっている場合、神経を抜かずに残す意味はないのでしょうか。
(3)虫歯菌によって神経が死んでしまい、歯の根の先に膿みがたまり、骨がなくなってしまった場合でも、適切な根管治療により、骨が再生し、良好な状態になることも期待できるという話を耳にします。ところで、骨の再生により、良好な状態になったとは言っても、神経を抜く前よりは、その歯は弱く(折れやすく)なっているのでしょうか。
(4)前述した、右上3番、右上5番、左上5番の3本の歯について、神経を抜かずに治療できるかどうかについては、初診時に、教えていただくことはできますか。


(院長からの回答メール)

○○様
 
たなか歯科クリニックの田中です。
メール相談ありがとうございます。

神経の処置についての質問がメインのようですね。
長文になりますが、お付き合い下さい。

1つ目の質問について。
右上3、右上5、左上5の神経処置の必要性についてはレントゲン写真を見ないと何とも言えません。
特に今一番お困りの左上5については、どこから出血しているのか、膿が出ているのかを知る必要があります。
もし、歯の根っこの先あたりから膿が出ているようなら、すでに歯の神経は死んでしまい、腐敗が始まっているかもしれません。こうなると神経を残す・残さないの問題ではなく、腐敗した 神経を取らなければ歯自体がダメになってしまいます。

歯の神経を出来る限り残したいという気持ちは患者様だけでなく、歯科医もそう願っています。
しかし残念ながら神経まで感染が進んでいる場合は、神経をとらないとどうにもならないことがあります。
実際に○○様を診療した歯科医の方がメールの内容だけで判断している私よりもずっと正確な診断をしています。今の私が治療方針を言うことをできる立場ではないことご理解ください。

2つ目の質問
可能な限り神経を取らない治療の件です。
・「ドックスベストセメント療法」は保険がききません。このセメントを使用した場合はかぶせ物も保険ではできなくなりますので注意が必要です。また麻酔がいらないと言っている先生がいますが、深い虫歯の場合は麻酔をした方が良いでしょう。
・「暫間的間接覆髄法」ならば健康保険が適応されます。詳しくはネットで検索してみてください。
この方法は1回では終わらずに数ヶ月待ってから残した虫歯を取ることになります。
・他には「3MIX-MP法」という方法もあります。3種類の抗生剤を混ぜたもので除菌するという方法です。私もこの方法で処置したことがありますが、現在は行っていません。

これらの治療法は比較的症状が軽い場合に適応となります。自覚症状がある場合は成功率が低く、結局は神経を取ることが多いです。○○様のメールの内容から過度の期待はしない方が良いでしょう。

神経を残す治療をした時に覚えておいてほしいことがあります。
「歯の神経を残す」ということは、感覚のある組織を残すことでもあります。神経の近くまで処置することにより、その刺激が神経に伝わり大なり小なり「必ず」術後に症状が出ます。
水がしみたり、噛みあわせた時に痛んだり。徐々に症状は少なくなりますが、数カ月にわたって症状が続いたり、疲れたりした時に症状がぶり返すことがあります。
日常生活に差し障りがある場合は神経を取る必要が出てきます。○○様の現在の症状と今までの経過で慎重に治療するかしないかを判断する必要がありそうですね。


3つ目の質問
リーマー、ファイルという器具で神経を取ることは、どの歯科医院でも保険で行っていることです。
拡大鏡はメガネにつけるタイプです。顕微鏡ではありません。保険の治療でも拡大鏡は使用しています。

4つ目の質問
神経を抜いた歯は弱くなります。これは残念ながら避けることができません。
「竹」で例えるならば、生きている竹はしなやかで、なかなか折れません。しかし伐採された竹は徐々に茶色になってきて、しなやかさを失います。バリバリと折ることができます。
歯が折れにくいように、最近ではファイバーコアというしなやかな素材を用いた差し歯があります。
大きな力がかかった時は、ファイバーがしなって歯に負担がかからなくなる原理です。
これは保険がききません。

死んだ神経をそのまま残した場合は、歯は著しく変色します。歯の内部のタンパク質が変性するためで、どす黒くなる時もあります。また感染物質が残っているため、歯の根の先が化膿し想像を絶する痛みが生じることがあります。とても危険な状態で抜歯が適応になる場合もあります。
神経はすでに死んでいるので強度的なメリットもありません。

歯の神経は無くなった時点で歯は弱くなります。神経の処置をして骨の化膿が治っても、神経が再生しているわけではないので、折れやすいことには変わりありません。

神経を抜かずに処置できるかどうかは、経過観察により判断することがあります。
神経を残す治療をしても、後から抜髄(神経を取る治療)を行うことは珍しいことではありません。
そのことをよく理解してから治療を受けることをオススメいたします。

○○様にとって、より良い治療の判 断の一助となれば幸いです。
なお、このメールの内容が実際の診療とはことなる場合があります。ご了承ください。
 
 
たなか歯科クリニック
田中伸尚


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