スタッフブログ

2017/08/23
歯科今昔2

こんにちは。
お久し振りです。たなか歯科クリニックの歯科医師、三浦唯一です。2回目です。
トンボが飛んでいます。夏が終わり始めましたね。最近は天気予報がアテにならないですが、いかがお過ごしですか。
さて来月、僕と同期とでとある勉強会へ参加することとなりました
それは無痛を目指すセミナーです。
昔、歯医者で、痛い思いをした経験があるのではないでしょうか。虫歯を治すために注射をしますが、ものすごく痛くて痛くてしょうがなかった。
そんな思いをさせないため、無痛での注射の心得を学んで来たいと思っています。
さて、歯を抜く際、当然のことながら、痛くないのが良いと思っているかも知れません。しかし世の中には例外があり、あえて痛い抜歯を目指すことがあります。
それは大昔、異端者や犯罪者への刑罰として用いられました。見せしめとして彼らは麻酔などされることなく1本、あるいは刑の重さによって複数の歯を無麻酔で抜かれました。指先のささくれですら痛いのに、無麻酔での抜歯、その痛みたるや言語に尽くしがたいものだったことでしょう。
12世紀イングランドのジョン王は、身代金を目的に富豪を監禁し、1日1本ずつ歯を抜いていくという残忍なことを行い、7日目にとうとう大金をせしめたという話が残っています。親知らずを含めると口の中には32本の歯があります。鼻毛を抜いても痛いのに、そのうち7本目まで耐えた富豪の精神力は相当なものだったのでしょう。
18世紀フランスのことわざに「歯抜き屋のように嘘をつく」というものが残っています。
パリはポンヌフという橋は18世紀当時、歯抜き屋にとっての聖地でした。当時の抜歯とは、現代のように治療の一環ではなく見世物のひとつに過ぎませんでした。18世紀にはまだ歯科医師という歯を専門とする職業がなく、「床屋」が外科や歯科を兼ねていた時代でした。
歯抜き屋はド派手な格好をしてまず人目を惹き付けます。クジャクの羽根飾りをつけた三角帽子。金色の組み紐でつくった緋色の外套。意匠を凝らした短剣を腰にさし、胸に輝く太陽の徽章をつけ、首には抜いた歯を連ねてかけていました。
彼ら歯抜き屋は、まず仲間の歯を無麻酔で歯を抜き、平気であることを観客たちに見せつけます。そして観客の中から歯の痛い者を募集し、治療と称して抜歯を行なうのでした。
当然、無麻酔で歯を抜いて痛くないわけがありません。それはもともと抜かれた歯を動物の皮で包み、動物の血で湿らせたものを、あたかもたった今抜いたかのように口から出すだけのインチキでした。
しかし観客にそんなことは分かりません。抜歯とは痛くないもの。そう錯覚させられた観客たちの中で、歯の痛い者はこぞって壇上へ上がると、歯抜き屋に歯を抜いてもらいました。
当然、痛い。しかしその悶絶の顔も上がる悲鳴も見世物に集う観客たちの歓声にかき消えてしまうので、歯抜き屋は「患者」の痛みなどお構いなしでした。
現代の抜歯はこんな野蛮ではありません。きちんと麻酔をし、専用の道具によって、痛みも傷も18世紀とは比較にならない程少ないものになりました。
来月の勉強会では無痛の方法をさらに学び、新しい方法を取り入れたり、これまでの方法をしっかり身につけて行きたいと思っています。
hawonuku.jpg
▲注射器。上の3つは上から針、麻酔筒、注射筒。これを下のように組み立てて用いる。
たなか歯科クリニック 歯科医師 三浦唯一

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