妊娠中のお口のトラブル

妊娠中のお口のトラブル

> こんにちは!たなか歯科クリニックのブログへようこそ。歯科衛生士の高山です。
> 暑中お見舞い申し上げます。
> 連日厳しい暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
> 暑い夏を乗り切るためには、十分な水分補給とバランスの取れた食事が大切です。

さて今回のブログでは妊娠中のお口のトラブルについてお伝えします。
妊娠中は、ホルモンバランスの変化やつわり、食生活の変化などにより、口腔内のトラブルが起こりやすくなります。以下に、妊娠中に起こりやすい口腔内のトラブルとその原因、対処法について詳しく説明します。


**1. 妊娠性歯肉炎**

* **原因:** 妊娠中はエストロゲンといった女性ホルモンの分泌が増加します。これらのホルモンは、歯周病菌の増殖を促進し、歯肉の炎症を引き起こしやすくします。また、つわりなどで歯磨きが不十分になりがちなことも原因の一つです。
* **症状:** 歯肉が赤く腫れる、歯磨きや食事の際に歯肉から出血する、口臭が強くなるなど。
* **対処法:**
* **丁寧な歯磨き:** 柔らかめの歯ブラシで、歯と歯茎の間を丁寧に磨きましょう。
* **デンタルフロスや歯間ブラシ:** 歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間も清掃しましょう。
* **歯科医院での定期検診:** 歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニングや指導を受けましょう。
* **うがい薬:** 殺菌効果のあるうがい薬を使用するのも有効です。ただし、アルコールが含まれていないものを選びましょう。
* **食生活の改善:** 甘いものの摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけましょう。

**2. 智歯周囲炎**

* **原因:** 妊娠中のホルモンバランスの変化や、つわりなどにより親知らずの周りが不衛生になり炎症が生じます。特に生えかけの親知らずは注意が必要です。
* **症状:** 親知らずの周りの歯肉が腫瘍、痛み出血しやすい状態になります。
* **対処法:**
* **経過観察:** クリーニング消毒をし炎症を抑えます。
* **抜歯:** 原因である親知らずを抜きます。いづれの場合も歯科医院で診てもらいましょう。
腫れを繰り返す場合には妊娠前に抜歯をお勧めします。

**3. 虫歯**

* **原因:** 妊娠中は、つわりなどで食生活が不規則になりがちです。また、唾液の分泌量が減少し、口の中が酸性になりやすいため、虫歯のリスクが高まります。
* **症状:** 歯の痛み、歯の表面に穴が開く、冷たいものや甘いものがしみるなど。
* **対処法:**
* **丁寧な歯磨き:** 歯垢をしっかり落としましょう。
* **フッ素配合歯磨き粉:** 歯質を強化し、虫歯予防効果を高めます。
* **キシリトールガム:** 唾液の分泌を促進し、虫歯菌の活動を抑制します。
* **歯科医院での定期検診:** 早期発見・早期治療が大切です。

**4. ドライマウス**

* **原因:** 妊娠中のホルモンバランスの変化や、つわりによる脱水症状、薬の副作用などが原因で、唾液の分泌量が減少することがあります。
* **症状:** 口の中が乾燥する、口臭が強くなる、食べ物が飲み込みにくいなど。
* **対処法:**
* **こまめな水分補給:** 水やお茶などをこまめに飲みましょう。
* **保湿剤の使用:** 口腔保湿ジェルやスプレーを使用するのも有効です。
* **ガムを噛む:** 唾液の分泌を促進します。キシリトールガムがおすすめです。

**5. 歯周病**

* **原因:** 妊娠中は歯周病が悪化しやすい傾向にあります。歯周病菌が産生する物質が、早産や低体重児出産のリスクを高めるという報告もあります。
* **症状:** 歯肉の腫れ、出血、歯がグラグラする、口臭が強くなるなど。
* **対処法:**
* **丁寧な歯磨き:** 歯周病菌を減らすために、歯と歯茎の間を丁寧に磨きましょう。
* **歯科医院での定期検診:** 歯周病の早期発見・早期治療が大切です。

**妊娠中の歯科治療について**

妊娠中でも、応急処置や必要な治療は可能です。ただし、妊娠初期(妊娠1~4ヶ月)と妊娠後期(妊娠8ヶ月以降)は、胎児への影響を考慮して、できるだけ治療を避けることが望ましいと言われています。
いずれにせよ妊娠前に歯科医院で定期的に健診を受けましょう。
出産後すぐはなかなか歯科医院への受診は難しくなります。早めの受診をお勧めしています。
たなか歯科クリニック歯科衛生士高山

Pick up contents

ページトップへ