お口の中の細菌について
皆さんこんにちは(^^)
千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の堀毛です。
今回は、口腔内の細菌についてお話ししたいと思います。口腔内には数多くの細菌が存在しており、一部は健康にとって重要な働きをする一方で、他の細菌は悪影響を及ぼすこともあります。
むし歯の病原菌としては、ミュータンス菌といわれるものがよく知られています。このミュータンス菌は、私達が食事やおやつなどで摂取する食べ物や飲み物に含まれる糖分を栄養にして増殖し、その際に菌の周囲にネバネバのグルカンというノリのような物質を放出します。これによって歯に強力に付着して、そこでたくさんの細菌の集合体が形成されます。これが増えて歯の表面の白い汚れとなったものが、プラークというものです。これらの細菌は、食事の糖分を利用して酸を生成し、歯のエナメル質を溶かしてしまいます。この酸の攻撃によって歯が弱くなり、虫歯が発生するのです。
また、歯周病菌は、歯周ポケットや歯と歯茎の間に入り込み、炎症や出血、歯茎の退縮を引き起こします。歯周病が進行すると、歯を支える骨が破壊され、最終的に歯を失うことになるかもしれません。歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。歯周病菌のひとつP.g菌(Porphyromonas gingivalis)がもつ”ジンジパイン”というタンパク質分解酵素はアルツハイマー病悪化の引き金をもつ可能性が示唆されています。
口腔内の細菌は、個人の口腔状態や生活習慣によっても変わります。例えば、歯磨きやフロスの不十分なケア、食事の内容や喫煙などの習慣が口腔内細菌の増殖を促すことがあります。
ですが、心配しないでください!正しい口腔ケアと定期的な歯科検診によって、口腔内細菌の数やバランスを正常に保つことができます。定期的な歯石除去やプロフェッショナルなクリーニングは、口内細菌の増殖を抑え、歯や歯茎の健康を維持するのに役立ちます。
また、食事面でもバランスの取れた食事や砂糖摂取の制限、十分な水分摂取も口腔内細菌の管理に役立ちます。そして喫煙は、口腔内の細菌バランスを乱すだけでなく、口内炎などの口腔トラブルを引き起こすリスクも高めますので、避けることをおすすめします。
口腔内の細菌が正常なバランスを保つことは、口腔内の健康に直結します。定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを心掛けることで、健康な口腔状態を保ち、細菌によるトラブルを最小限に抑えましょう。
千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士 堀毛南実
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