歯牙移植について
皆さんこんにちは
歯科助手、管理栄養士の加藤実沙子です。
さて今はオリンピックが盛り上がっていますね!!スタッフの間でもフィギュアスケートの話題などで盛り上がっていました(^^)アスリートの方々は本当にすごいですね。毎日繰り返し練習を重ね、結果をだす。感動です。歯磨きも一緒で、毎日の繰り返しすることで、虫歯のない健康な歯を継続することが出来るのですね(^^
さて今日は歯の移植(歯牙移植)について。
虫歯や、破折などで歯を失ってしまった場合、ブリッジや入れ歯インプラントの3つが選択されることが多いですが、歯牙移植とは特に親知らずなどの不要な自分の歯を再利用して、必要な部分に移植する方法です。工程としては
① 移植する歯を抜歯する
② 移植先の歯茎に埋める
③ 歯が自然に定着するのを約3か月待つ
メリット
☆安全性が高い
自分の歯を移植することになるので、人工物によるアレルギーの心配がなく拒否反応が起こりにくい
☆歯根膜を残したまま移植可能
歯根膜とは歯を支える歯槽骨と歯の間にあってクッションの役割をしています。この歯根膜のおかげで咬合の力を軽減させたり、食べ物の歯ごたえを感じたり、口内に入ってきた異物を感じ取ったりすることができます。
☆保険適用
デメリット
☆治療の条件がある
歯牙移植ができる条件があるうえに、手術自体も難しいので、扱っている歯科医院は少なくなります。
☆抜髄しなくてはいけない
ほとんどの場合、移植後に歯の神経の処置が必要となります。神経を抜くと、免疫力がさがり、虫歯になったり、破折のリスクも他の歯に比べて高くなってしまいます。
自分の歯も使えて、手術自体も一日で終わるので、とてもいい方法かと思いますが、実はこの歯牙移植をするにはいくつかの条件があります。
条件①移植する歯が生えていること
抜いても支障のない親知らずが使われることが多いですが、矯正治療時に抜歯する4番5番が使用されることがあります。しかし、やはり歯の形がそれぞれ違うので、親知らずは奥歯への移植に使われることが多いです。(矮小歯など歯の形にもよりますが)
特別な形で保存していない限り、過去に抜いた歯は使用できません。歯根を覆う歯根膜が生きている状態でないと、歯がうまく定着しないからです。
条件②骨の量が十分にあること
移植先の歯槽骨が歯周病で吸収されていたりすると、なかなか定着しないので、歯茎が健康であることが条件です。移植の際に歯茎に大きな穴をあけることになるため、骨もそれだけ必要になります。
歯を失うことは本当につらいことだと思います。しかし、ブリッジインプラント入れ歯のほかにももしかしたら歯牙移植という方法があるかもしれません。お気軽にご相談ください(^^♪
たなか歯科クリニック
歯科助手、管理栄養士の加藤実沙子
CTでみる根尖病巣診断
こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の満田誠です。
う~~、さむいさむい! 最近 寒い日が続きますね。
私の周りでも 体調を崩している方が多いようですが、皆様は大丈夫ですか?
暖か~くして、うがい・手洗いをしっかり行い、風邪を予防していきましょうね。大切な お体、御自愛ください♪
ところで、歯科での病状診断において、難しいものの ひとつに 『歯の神経の疾患』 があります。 何故なら、”神経は 歯の内部にあるので、見た目でだけは病状が判断しにくい” からです。
例えば、”歯に穴があいていて痛い” などであれば、原因は「虫歯があるのかな?」と察しがつきます。 でも、「虫歯も無いように見えるけど、この辺りの歯が何となく痛い気がする。触ると、他の歯と違う感じもあるし…。」というケースもありますよね。
この場合は 『何が原因でこの症状を生じているのか?』 という事をまず調べて、それに応じた治療を進めていかなければなりません。
具体的な診断としては、
・歯周病の検査 ……歯茎に炎症はないか? 歯槽骨は吸収していないか?
・レントゲン検査 ……見た目で分からない虫歯・亀裂・根尖病巣はないか?
・打診痛 ……コンコン触ってみて、過度な敏感さが無いか?
・冷温熱痛 ……温度に対して過敏ではないか?
・電気歯髄診 ……神経が死んではいないか?
などを行い、その検査結果・反応から 痛みの原因を探っていきます。
ただ、それでも判断が難しいことが度々あるのです。
「色々調べてみたけど…。診査上は どうも歯の神経が炎症を起こしているか、死んでしまっている気がする…。 でも、歯の外見や レントゲン写真では 健全歯に思える…。 う~ん、削ってみたり、被せ物を外してみれば もっと良く分かるのだけれど、本当に健全歯だったら それをしてしまうのは勿体ないな……」、という状況。
そう、最初にお話しした 『歯の神経の疾患』 の疑いです。
この問題を 解決してくれる検査に “CT撮影による三次元的画像診断” があります。
ひとつの例をあげてみましょう。
この患者様は、右上の奥歯に何となく違和感がありますが、外見上は歯に問題があるようにはみえません。
レントゲン写真は、これです。
画像上は 特に異常はありません。
そこで、CTを撮って 更に詳しく調べてみました。
お分かりになりますか? 三次元画像では、同歯の根尖に 骨の吸収像がハッキリと認められます。
CT三次元画像は、任意の部位を輪切りにして色々な視点から分析できるので、先程のレントゲン画像と同様の状況を 比べてみましょう。
根の周囲に、膿が溜まっているのが分かりますね。 レントゲン写真は 二次元画像であり、歯や骨など様々な組織が重なり合って写った影絵であるため、 その画像診査だけでは判断できなかったことが、一目瞭然でわかります。
この様にCTは、実際に歯を削ったり、被せ物を除去しなくても、色々な情報をもたらしてくれます。
CT撮影は 保険外の自費診療となりますが、原因がはっきりしない症状や なかなか治りが悪い病状診断には 有効な検査方法となりますので、ご希望の方はDrやスタッフに ご相談ください。
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠
プラークチェッカー
みなさんこんにちは。
たなか歯科クリニック 管理栄養士・受付の水野友梨です。
先日、当院でも販売しているプラークチェッカーを購入したので、
実際に自分でも使ってみました!
プラークチェッカーとは、きちんと磨けているか、歯垢が残っているかの
チェックが手軽にできるものです。
歯垢とは、上手に歯磨きすれば取り除けるものを言いますが、歯磨きだけでは取り除けないのが歯石です。
なので、歯石とは歯垢が硬くなったものをいい、歯磨きで磨き残した歯垢が、唾液の中のミネラルと結合して硬くなってできます。歯についた歯垢はたった2日くらいで歯石になります。
歯と歯茎の境目や差と歯の間にできた石のように硬い歯石は、歯磨きだけでは取り除くことができないので、歯医者で歯科衛生士にとってもらいましょう。
ただ、歯石にならない歯垢のうちに汚れを取る事が大切です。
歯垢は目で見ても分かりずらく、さらに歯と歯の間の汚れを歯ブラシだけで取ることはなかなか難しいので、フロスや歯間ブラシを使うと効果的です。
その歯垢を分かりやすく目で見て分かるようにできるのがプラークチェッカーと呼ばれる赤染め液です。
子供のころ、学校で赤染め液をして歯ブラシの当て方を習った記憶がありますが、大人になるとなかなかそのような機会がなく、歯磨きは人それぞれ癖があるので自分が正しく汚れを落とせているのかどうか分からないですよね。
使い方は簡単です。私は綿棒を使って行いました!
プラーチェッカーを綿棒染み込ませ、歯面全体にいきわたるように塗布します。
塗布したら、お水で軽く1~2回お口をゆすぎます。
すると、歯垢が付着している部分が赤く染まります。
染まっているところが、磨き残しをしている部分になるので、
赤く染まった部位を鏡を見ながらブラッシングします。
私は、実際にやってみると、歯と歯茎の境目や、下の前歯の裏側がよく染まっていました。
染まった部分を良く磨くと赤色が落ちることが目で見て分かりやすいので、
ここが磨き残しなんだなということがとても分かりやすかったです。
特に、小さなお子さんなど、歯磨きの重要性を伝えたい方に教えてあげると
とても良いと思います。
ただ、お洋服などについてしまうと赤色が落ちないので、使用時は注意して行って下さいね。
お子さんは、使う時にはタオルなどを首にかけて行うと良いかもしれません。
洗面台も赤色がつくと落としにくいので注意ですね。
当院でも、1つ200円(税別)で販売をしています。
お子さんだけでなく、大人の方にもぜひ使っていただきたいです。
たなか歯科クリニック
管理栄養士・受付 水野友梨
エックス線
みなさま、こんにちは!千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の佐々木彩花です。
歯医者さんでお口の中の検査で欠かせないものにレントゲン写真があります。レントゲンから虫歯、歯の周りの状態、根っこの状態、歯の数、歯の数、埋まっている親知らずの状態など歯科医の先生はレントゲンからたくさんの情報を得ることができます。その情報をもとに治療を進めていくので、私たちにとってレントゲン写真は地図のようなものです。
ですから、正確な正しい地図で歯科医の先生が治療できるようにより正確で鮮明なレントゲン撮影の補助ができるよう常に心掛けております。
例えばまず、半年〜1年ごとにレントゲンチェックをすることです。定期健診や歯にお痛みがある場合など検査の際にはなるべく新しいレントゲンにりよる情報があると、より正確な診断につながります。
また、より鮮明に撮影するため撮影時にはレントゲンに写り込んでしまう可能性のある首から上の金属類を外して頂いています。
気をつけいるのは、例えば眼鏡、ネックレス、ピアス、髪留め、入れ歯、取り外しのできる矯正器具などです。
撮影時にお伝えしますのでご協力お願いします。
そして、撮影時にはお体を守るための防護のエプロンをつけて撮影いたします。
エプロンをつけた後は撮影したいところに正確にレントゲンを当てられるように座る位置や顔の位置を合わせていきますので、私たちがお伝えした指示に従ってくださいね!ここからは座っていたらあっという間に撮影できます。
ただし、診査に必要なレントゲン写真ですが、撮影前には女性の方でご妊娠中、ご妊娠の可能性がある場合は教えてください。また不安に思っていることなどあるときは教えてください。
当医院では4つのレントゲン写真を撮影できます。治療内容や目的によって撮影しています。
①広範囲のお口の平面写真
②小さな範囲での平面写真
③3D画像の立体的な写真
④頭部から首までの骨を写す写真(主に矯正治療で)
このようにいろいろあります。
ちなみにエックス線写真は1895年ドイツの物理学者レントゲン博士が偶然発見したそうです。今から約120年前のことです。なんだか目には見えない不思議な線がでていると考えエックス線と名付けたとのこと。
今ではこうして当たり前にエックス線を歯に当てると骨や歯、金属は白く写り目では見られないところをエックス線像として見られるようになりましたからおもしろいですね。
千種区たなか歯科クリニック
歯科衛生士 佐々木彩花
歯科今昔9
こんにちは。
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お久し振りです。歯科医師の三浦です。
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アマルガムをご存知の方は、多くいらっしゃることと思います。昔は虫歯を取った後、空いた穴へはアマルガムを詰めていました。さだまさしを聞いていた世代では当たり前のお話かもしれませんが、今は昔の話です。
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大昔、アマルガムがなかった時代、すなわち18世紀よりも以前、虫歯を取った穴へは金を詰めていました。それも地獄の痛みと共に。麻酔が発達していない時代でしたから、虫歯を削ること自体が相当な苦痛を伴いました。そこへ金を詰めます。柔らかな金をトンカチで歯の穴へ入れて行くのです。そのためには相当な痛みを覚えたことでしょう。
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さて麻酔がどうにか治療に使えるようになった時代、つまり18世紀過ぎ、金を詰めるか、あるいは歯を抜くしかなかった時代に、アマルガムが颯爽と登場します。これは安価で、手軽で、しかも口の中という過酷な環境に耐える画期的な金属でした。
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ところが初期のアマルガムは酷いもので、90度以上の温度がないと固まってしまいます。虫歯を取った穴へそんなものを注入すれば虫歯は取れても歯の神経が死んでしまったり、激痛のあまり転げ回ったりことは当たり前でした。
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それでいて精度も良くなかったのです。温度や配合次第では硬化時に収縮してポロリと取れたり、反対に膨張して歯を割ったり、とてもではないが金に太刀打ち出来る代物ではなかったのです。
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水銀は単体では毒性を帯びています。秦の始皇帝は水銀を不死の薬として常用し、命を縮めました。古代ローマではワインに水銀を添加し、味をまろやかにして飲んでいましたが、これも毒を飲んでいるに等しい行為でした。日本でも有機水銀が原因で水俣病が起こっています。このように、水銀単体あるいは有機水銀は毒です。
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一方、スズや銅と結びついた水銀はアマルガムとして使われ、無害です。発明から100年以上も歯科用材料として用いられていたのですから。こうして多くの人の歯を破壊した上でアマルガムは洗練され続け、海外はもとより日本でも当たり前の修復材料として使われていったのです。
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しかしながらそれも今は昔。歯を黒くしたり、端が欠けたり、材料としての役割は果たされようとしています。アマルガム修復による患者の健康被害は2009年時点で報告されていません。現在、何で虫歯を修復しているか。樹脂です。プラスチックの一種です。コンポジットレジンとも呼ばれるもので、光で固まるものや化学反応で固まるものなどがあります。
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虫歯があるか気になる方がいらっしゃったら是非一度お越しください。今はもう虫歯を治すためアマルガムを使うことはありません。
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▲虫歯があります。
▲コンポジットレジン修復後。強度の都合上、すべての虫歯で適応ではありませんが、元の歯に近い色と形を持っています。
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たなか歯科クリニック 三浦