入れ歯ってどうやってできるの?
こんにちは!たなか歯科クリニック 歯科医師の島田実果です。
梅雨空が続いていますが体調を崩されたりしていませんか?
本日は入れ歯(義歯)ができあがるまでの流れについてお話したいと思います。
①概形印象
既製のトレーを使って型をとり、大まかな模型を作製します。
この模型を元にして、患者様一人一人のお口に合ったオーダーメイドの個人トレーを作製します。
②個人トレーによる精密印象
できあがった個人トレーを使って、より精密な型取りをします。
顎堤や残存歯の状態、筋肉や舌の動きなどをより正確に記録し、模型にします。
支台となる歯で、義歯の金具のかかる部分は少し表面に溝を入れるため削合します。噛み合わせとなる反対側の歯型もとります。
③咬合採得
精密な模型を元に、蝋(ワックス)と樹脂(プラスチック)でできた義歯の土台が出来上がるので、それを用いて咬み合わせの型取りをします。唇の膨らみや顔貌もチェックします。
④試適
実際に歯を並べて試し入れを行います。
⑤装着
いよいよ義歯の完成です。土台の部分がしっかりとした素材に置き換わっているため、初めての装着は痛みを伴うこともあります。
義歯の内面や咬み合わせ、金具の調整も行います。
<義歯の使用>
義歯は慣れるまで時間がかかります。装着後も歯科医院での調整が必要です。
1日1回(就寝時など)、一定時間は義歯をはずすようにして下さい。義歯の下の粘膜に安静と回復を与えるために重要です。
義歯の使用により潰瘍(口内炎のような傷)ができて、痛みがある場合は使用を中断し、義歯調整のためにかかりつけ歯科医院を受診して下さい。
食事はやわらかいものから徐々に始めて下さい。ご自身の歯のように固いものを食べるのは難しいかもしれません。
義歯を新製してすぐは話しにくく、またご自分の声と違うような気がすることがありますが、使っているうちに慣れて気にならなくなります。
<義歯の洗浄・管理>
義歯は汚れやすく、義歯使用者は義歯性カンジダ症にかかりやすいです。放置すると抵抗力の弱い高齢者の場合、カンジダ性口内炎に移行します。
洗浄は義歯用ブラシと義歯洗浄剤の併用が理想的です。洗浄は表面のぬるぬる感がなくなるまで行って下さい。義歯洗浄剤は、少なくとも1週間に2回は使用しましょう。義歯は就寝前に、水や義歯洗浄剤につけて保管して下さい。乾燥したままでは変形の原因になります。
保管場所はきちんと決めておいた方がいいでしょう。踏んだりしにくい場所に保管し、破損・紛失に注意しましょう。
3~6か月おきの定期歯科検診をお勧めします。気がつかないうちに、噛み合わせが悪くなったり、歯がすり減ったりすることがあります。良い状態を長く保つために問題がなさそうな場合でも定期的に歯科受診をしましょう。
たなか歯科クリニック 歯科医師 島田実果
虫歯が進んでしまうと…
こんにちは、たなか歯科クリニックの歯科医師の岡島多翔幸です。
皆さまは、虫歯が進行してしまい、神経が入っている小部屋まで感染してしまうと、どのような治療を行うかご存知でしょうか。
歯の頭はエナメル質でできており、そのエナメル質の下は象牙質でできております。
象牙質には、神経と血管が入っている小部屋があり、これを歯髄腔(しずいくう)と言います。
歯にできた虫歯が進行して歯髄腔まで感染が及んでしまうと神経をとる必要が出てきてしまいます。
神経をとったあとは、取りっぱなしというわけにはいきません。神経の代わりとして防腐剤を置いて細菌が根の下にいかないようにする必要があります。
しかし、この防腐剤を置く工程、なかなか一筋縄ではいきません。
防腐剤が置けるよう小部屋を拡大しなければならないのですが、歯髄腔は複雑な形をしていることが多いのです。
特に大臼歯は歯の根っこの数が1本ではなく、2本、3本とあり、1つの根っこの中にさらに歯髄腔の管が2つあることがありますので、拡大には手間がかかります。
歯科医院に同じ治療に何度も通う-という状況はこうして生まれます。
拡大には、さまざまな機器や器具を使います。
従来は、手用のステンレススチールのファイルと呼ばれるヤスリのような器具を使うのが主流でした。今もこのファイルは日常的に使われるのですが、現在は、ニッケルチタン製のファイルを使うことも増えてきました。
このニッケルチタンは力を加えるとグニャっと柔らかく曲がります。複雑な根管を追随してくれるスグレモノなのです。
このファイルは手用のものもありますし、専用の機器につけて使用することもできます。
最近の臨床では、マイクロスコープと呼ばれる8〜20倍近くの顕微鏡を使って治療する場面も増えてきました。
また先のファイルと呼ばれる器具には、いくつもの動かし方があります。
日進月歩する歯科医療に応えるために、私たちが日々精進することは必要不可欠です。
これからも鍛錬は積んでいきたいと思います。
たなか歯科クリニック
岡島多翔幸
夏野菜を食べよう
みなさんこんにちは!
千種区 たなか歯科クリニック 受付・管理栄養士の水野友梨です。
梅雨で雨が続き、じめじめした気候が続きますね。
気温の変化に体調はついていけてますでしょうか?
夏は、食欲が落ちるとよく言いますが、栄養もあるものを食べないと余計に体調不良になってしまいます。
夏が旬の食材を紹介していきます。
この季節になるとよくスーパーで見かけるようになる「モロヘイヤ」は、王様の野菜と呼ばれるようです。その理由は、栄養価の高い野菜であるからです。
ミネラルやビタミンを豊富に含んでいるので、外食やインスタント食品が多い現代人にはおススメの野菜だと言えます。
モロヘイヤは、老化の原因である活性酵素の働きを抑える効果のあるカロチンの含有量が野菜の中ではトップクラスなので、細胞の老化を遅らせて、血管や粘膜を丈夫にしてくれます。
そして、カルシウムを多く含んでいることでも有名で、カルシウムとビタミンKのコンビで、骨粗鬆症の予防効果があります。
様々な栄養をモロヘイヤはバランスよく含んでいます。
モロヘイヤを刻むとネバネバが出てきますよね。このネバネバは、「ムチン」という成分で、オクラやになめこ、里芋などのネバネバ野菜に共通して含まれています。
ムチンは糖とたんぱく質からできた物質で、糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑える働きがあり、糖尿病などの予防に効果があります。
また、胃壁を保護してくれるので、消化不良や食欲不振を防いで胃のトラブルを予防してくれます。
ネバネバ野菜を食べて暑い夏を乗り越えましょう!
千種区 たなか歯科クリニック
受付・管理栄養士 水野友梨
歯医者さんで定期的にクリーニングを受けましょう!
皆様こんにちは!
名古屋市千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の佐々木彩花です。
ジメジメ雨の日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
そして、ここ最近は日が長くなりましたね。先日仕事が終わって帰宅する時にふと空を見上げると今まで真っ暗だったのが少し空が明るくて夏の訪れを感じました。まだまだ暑さはそこまでですが季節の変わり目で風邪も引きやすいようです。夏もこれからが暑さの本番です。お体も気遣いましょう。
さて、家でする歯磨き(セルフケア)と歯医者さんに行って行うクリーニングや歯石取り(プロケア)はどう違うのかご存知でしょうか?
この2つの違いは歯茎の中までバイ菌汚れを掃除できるかどうかです。
家でする歯磨き(セルフケア)では歯茎の上を磨くことはできますが、歯茎の中(歯周ポケット内)を磨くことは難しいです。
歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目の溝をいいます。
歯は歯ぐきとぴったりくっついているように見えますが、実は歯と歯ぐきの間にはわずかな隙間があります。隙間の深さが3mm以下の溝なら問題はないのですが、深い溝になると汚れがたまりやすくなります。汚れが入り込むことからポケットと呼ばれています。
ですからお口の中を綺麗に健康に保つのには定期的に歯医者さんでポケット内までクリーニングや歯石とり(プロケア)をすることに意味があります。
歯周ポケットが深くなると、その中で歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯槽骨が溶けていきます。その結果、ますます歯周ポケットが深くなり、最後には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病菌は空気を嫌います。ですから空気の入りにくいせまーい歯と歯茎のあいだのわずかな隙間が大好きで住みついてしまいます。汚れ(歯垢、プラーク)がたまりやすいポケットないに溜まった汚れは時間がたつと石のように硬い汚れ(歯石)となります。せまーくて奥深いポケットは歯周病菌にとっては好物件となり、また狭い隙間にちょっとやそっとでは壊れたりしない硬い歯石がついてくるとさらにバイ菌にとっては鉄壁のお城のようになります。鉄壁のお城が完成してしまうとバイ菌をやっつけるのもお城を取り壊すのも一苦労です。
また健康な浅い歯茎でも3㎜ほどの溝があるため、ブラッシングが上手な方でも歯ブラシが届かないみがき残している部分は定期的にプロのお掃除する必要があります。
ただご自宅で使えるアイテムで歯茎の中も少し磨ける道具があります!
それがデンタルフロス(糸ようじ、フロス)です。
歯に沿わせて使うとこで歯肉の縁下の歯垢(プラーク)を取り除いてくれます。
フロスの使い方や定期検診、クリーニング等についてなどお気軽にスタッフまでご相談ください!
千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士 佐々木彩花
治療した歯が虫歯になる
みなさんこんにちは。
千種区たなか歯科クリニック歯科医師の飯嶋晴弥です。
7月になり、梅雨であまり天気が良くない日が続いていますね。
院内も湿気のせいで蒸し暑いです。
僕はエアコンの風が少し苦手ですが、みなさんの中にもそういった方がいらっしゃいましたら遠慮なく言ってください。
今回は、よくある患者様からの質問について書いていきたいと思います。
まず一つ目は「治療した歯がなぜまた虫歯になるのか?」という質問です。
虫歯になり削った後、詰め物や被せものをします。しかし、これらの修復物は経年的に劣化変化してしまうため、修復物と歯の間には段差や隙間ができてしまいます。その隙間から虫歯の細菌が入り込み、中で虫歯になってしまいます。少しでも長持ちさせるためには定期的なメンテナンスやご自身でのケアが必要になってきます。
二つ目は「詰め物が大きく感じる」など削る量に関する質問です。
一番削る量が少ないのは、コンポジットレジンという歯科用の樹脂です。なぜ削る量が少ないかというと、歯と直接くっつかせることができるからです。金属やセラミックになってくると、セメントで固定する方法になります。割れにくくするためやしっかりとはまるような穴の形にしなくてはならず削る量が大きくなります。また二次的に虫歯になりやすい場所や傷みやすい場所あえて修復物で覆うこともあるため、少し大きめに削ることもあります。
また歯の構造上、表面のエナメル質は固く、虫歯は中の象牙質で広がりやすいです。そのため、見た目は黒い点でも中で広がっていることが多いため削る量が大きく感じます。
三つ目は「治療した歯がしみる」などの質問です。
歯の構造は表層から、エナメル質→象牙質→歯髄となっています。歯髄というのが歯の神経や血管が通っている場所であり、痛みを感じる組織です。表層のエナメル質は歯髄とはつながっておらず虫歯もこの範囲でとどまっていれば痛みを感じにくいです。しかし象牙質の中は細い管が無数に走っており、その管は象牙細管と呼ばれ、歯髄とつながっています。金属やセラミックを入れるような虫歯は象牙質まで達しており、虫歯の深さが深いほど歯髄までの距離も近くなり、刺激も伝わりやすくなります。特に金属などの場合は、熱の伝導性が良いため、冷たいものなどでしみやすくなる傾向にあります。
他にも治療後のしみる症状や痛みの原因になることはありますが、それらに関しては次に機会に書いていきたいと思います。
千種区たなか歯科クリニック
歯科医師 飯嶋晴弥