できるだけ避けたい!「歯根破折」
こんにちは! 千種区たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠です。
今回のお話は「歯根破折」。
すなわち、“歯の根っこが割れてしまった” や “ヒビが入ってしまった” 状態を意味します。
その原因としては、“力”。もちろん、ぶつけた 転んだ などの外傷でも起こるのですが、どうやら 多くの場合は、“繰り返される咬合による 応力の蓄積によって起こる疲労破壊” から歯根破折が起こるようです。
歯根破折の怖いところは、治療の手段が 「原則として抜歯」 であること!!(>_<)
皆さまご存じの通り、歯を失う原因の第1位は「歯周病」 第2位は「虫歯」ですが……、実は第3位が「歯根破折」なのです!
歯の割れている部分が 歯冠(歯茎の位置より上の、歯の頭部分)に留まっていれば、被せ物にすることで補強して歯を残せるのですが、それが根まで割れてしまっていると 困難となります。
無理やり被せ物にしても、土台が弱いので すぐに取れてしまいますし、割れている歯根は段々炎症を起こして化膿してきます。やがて、その炎症によって周りの骨を溶かして弱らせたり、破折した歯根そのものが 隣の歯や歯周組織を巻き込んで症状が悪化していく 病因(感染源)となっていくのです。
そんな怖い歯根破折ですが、なにぶん歯茎の中に隠れている「根」は 目では見えないため、患者様がご自分で気づくことは稀です。多くの場合は、何らかの自覚症状があり、それがきっかけで検査をしたところ発見されます。
具体的にどんな症状かというと、
・歯茎が腫れている
・歯茎にニキビの様な できものがある
・歯がぐらつく
・被せ物がゆれる、取れた
・咬むと痛い
などです。
そして、どのような歯・どんな方に歯根破折が多いかと言うと、
・神経が無い歯(特に金属の土台が入っている歯、ブリッジの支台となっている歯)
・歯ぎしり・食いしばりの傾向がある
・咬む力が強い
などに破折のリスクが高くなります。思い当たる方、大丈夫ですか? ご心配であれば御相談くださいね♪
色々と歯根破折の問題点をお話ししましたが、ご安心ください! 以上の事をふまえれば、おのずと破折を避ける予防法も見えてきます。
まず、“神経を取らなければならないような 虫歯を作らないこと” は勿論です。
他には、神経の無い歯の被せ物は “金属の土台ではなく、グラスファイバーの土台を入れること”。金属よりグラスファイバーの方が柔軟性があり、歯に優しいため破折リスクを軽減できます。
そして、歯ぎしり・食いしばりがある方は、“日中は、自分で意識して その癖をコントロールする” 、“就寝中はマウスピースを使用する” ことで、過度な力から歯を守ります。
そして、硬い食べ物はお気をつけください! ちょっと食べやすくしてからの方が良いかも。
歯周病・虫歯と違って、なかなか意識しにくいけれど、実は身近にあって怖い「歯根破折」。大切な歯を失わないように予防していきましょう!
千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠
テトラサイクリン歯
皆さんこんにちは
千種区覚王山通たなか歯科クリニック歯科衛生士の高山です。
2月に入り、寒さが厳しくなってきましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?冬の時期は乾燥しやすく、口内環境にも影響を与えることがあります。しっかりと歯磨きを行い、うがいや保湿を心掛けて、健康な口内を維持していきましょう。
今月も、歯に関する役立つ情報やお知らせをお届けしていきますので、ぜひご覧ください。
さて、今回のブログでは「テトラサイクリン歯」についてお話ししたいと思います。
「テトラサイクリン歯」というのは、テトラサイクリン系と呼ばれる抗生物質を一定期間内に服用した場合の副作用により変色した歯のことをいいます。
よくみられる変色の程度はグレー色、イエロー色、ブラウン色などが歯の表面に横縞模様となってあらわれます。
このように変色してしまう原因は、歯の形成期である出生直後から8歳頃までにテトラサイクリン系の抗生物質を投与された場合、歯の着色、歯のエナメル質の形成不全、胎児や小児に一過性の骨発育不全などを起こすことがあるとされています。このため妊婦や授乳中の母親、および8歳頃までの小児に対してはテトラサイクリン系の抗生物質を避けるべきとされています。
テトラサイクリン系の抗生物質は、かつてはマイコプラズマ肺炎や百日咳の特効薬として、また風邪薬のシロップとして用いられてきましたが歯に変色を生じることが認められたため、現在ではほとんど使われなくなっています。昭和40年代くらいにはよく使われていたようです。このため、テトラサイクリン歯は40代~50代の方によく見られます。
しかし現在でも、このような副作用が生じることよりも全身疾患の治療を優先するべきであると判断された場合にはテトラサイクリン系の抗生物質が使われる場合があります。
テトラサイクリン歯のメカニズムですが、テトラサイクリンは鉄や亜鉛、カルシウムと結合しやすいという性質があるため、形成中の歯に含まれるカルシウムと結び付き、象牙質の中に沈着します。沈着した物質は、紫外線にあたると光化学反応により色が変わるため、太陽光線があたることで歯の色が変化します。そして、紫外線が当たることによって徐々に濃い色へと変化する特徴もあります。そのため、最も光があたりやすい前歯の色が濃くなってしまいます。
このため歯の色を気にされている方が多くいらっしゃいます。
では、どのような治療法があるのでしょうか?
ホワイトニングは軽度の変色であれば有効ですが、茶色が強く重度の変色にはあまり効果がみられません。逆にホワイトニングを行うことにより白濁部分が目立ってしまうこともあります。
重度な場合はラミネートベニア(歯の表面を削り白いセラミックのチップを貼り付ける方法です)や被せ物などが有効な治療法となります。
テトラサイクリン歯は変色の程度によって治療法が変わってきますのでまずは歯科医院ご相談ください。
千種区覚王山 たなか歯科クリニック 高山
乳歯の生えかわりについて
こんにちは、名古屋市千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の関谷です。
今回は子供の歯の生え変わりの時期についてお話します!
みなさんは子供の歯の生え変わりには大体の時期と順番が決まっていることはご存じですか?
子どもの歯(乳歯)は生後6カ月頃から生え始め、3歳頃までに20本すべてが生えそろいます。生えてきた乳歯は一生使うものではなく、6歳頃から永久歯に生え変わりがスタートし、12歳ぐらいですべての乳歯が生え変わっていきます。
ただし、永久歯への生え変わりのスピードは個人差が大きく、男の子よりも女の子のほうが早い傾向にあります。
乳歯から永久歯への生え変わりは次のような順番で生え変わるのが一般的です。
〇5~8歳頃
まずは、下の真ん中の前歯から生え変わりが始まり、その後順番に下の前歯の4本と、上の前歯4本が抜けて永久歯に生え変わってきます。
それと並行して、一番奥の乳歯の後ろから新たに第一大臼歯が生えてきます。
この第一大臼歯は6歳頃に生えてくるので、6歳臼歯とも言われています。永久歯の中で一番大きく、噛む力も強い歯で永久歯の歯並びや嚙み合わせの基本となる大切な歯です。
〇9歳頃
前歯と奥歯の間にある糸切り歯(犬歯)などがだんだん生え変わっていきます。
〇12~14歳頃
12歳臼歯を含む上下28本の永久歯が生えそろいます。
それ以降に人によっては親知らずが生えてきます。
永久歯が生え始めても乳歯が抜けないことがあります。その場合は、永久歯が正しい位置に生えず歯並びが乱れる原因になることがあるため、早めに乳歯の抜歯をすることをおすすめします。
乳歯は永久歯と比べて、柔らかく汚れがつきやすい特徴があります。そして、生えて間もない永久歯は歯質が未熟なため虫歯になりやすい時期です。なので虫歯にならないために、お家でフッ素入りの歯磨き粉を使用し歯磨きをしたり、歯医者でフッ素を塗ってもらうことが大切です!
また、生え始めは他の歯に比べて、背の高さが低く歯並びが凹凸しやすくなるため、磨きにくく汚れが残りやすいです。
特に一番奥の乳歯の後ろに生えてくる6歳臼歯は、生えてきたことに気づきにくく、生え始めの背の低い時期は歯ブラシが届きにくいため、奥まで磨いてあげてくださいね。
永久歯が生え終わったころにはすでに虫歯になっているお子さんも珍しくありませんので、仕上げ磨きは念入りにしてあげてください!
生え変わりのスピードが多少ゆっくりでも問題はありませんが、心配な場合はレントゲン写真を撮って永久歯を確認することもできますのでご相談ください!
千種区たなか歯科クリニック 歯科衛生士関谷
歯間の虫歯予防
こんにちは!千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士の川元です。皆さん年末年始は楽しく過ごせましたでしょうか?また検診でお話を沢山聞かせてください!
さて、今回は歯間の虫歯予防についてお話したいと思います。歯間部の虫歯予防にはフロスや歯間ブラシが大切になります。デンタルフロスや歯間ブラシは、歯ブラシでは届かない歯間の汚れを落とすのに効果的です。
フロス
フロスにはホルダータイプや指巻きタイプなどの種類があります。ホルダータイプにもF字の物とY字の物がありF字は前歯部に、Y字は臼歯部に適してます。指巻きタイプは歯にそわせやすいというメリットがあります。迷いどころとしてはワックスの有無ですが、ワックス有りの場合だと滑りが良いため扱いやすいというメリットがあり、ワックス無しだと歯垢の除去効率が高いというメリットがあります。
フロスは歯と歯の間の接触点の虫歯予防として効果的です。
歯間ブラシ
歯間ブラシにはブラシのサイズやハンドルの形が異なるものがあります。I字の歯間ブラシは前歯部に、L字の歯間ブラシは臼歯部に適しています。歯間ブラシのサイズは1番細い4S〜LLまであります。無理矢理通そうとすると歯肉を傷つけてしまう原因になってしまいます。そのため歯間にあった丁度いいサイズのものを使うことがポイントになります。また、針金にナイロンの毛のついた物だとプラークの除去率が高くゴムのタイプだと歯肉を傷つけにくく炎症を起こしている部分にも使用しやすいです。
歯間ブラシは歯周病予防として効果的です。
歯間ブラシ フロスの使用頻度
歯間ブラシやフロスは理想的には1日1回毎日することです。可能であれば毎食後歯間ブラシやフロスは使用しても問題はありませんが、時間をしっかり取るのが難しい場合もあると思います。そのため就寝中は唾液の分泌量が減り細菌が繁殖しやすくなるため就寝前に歯間ブラシやフロスを使用するのが良いでしょう。毎日使うのが難しい方は最低でも週に2〜3回使用するようにしてみてください。
歯間ブラシとフロスは汚れの場所によって適した箇所が異なるためセルフケアでは両方併用することがおすすめです。
歯間ブラシフロスの注意点
歯間ブラシもフロスも無理矢理やってしまうと歯肉を傷つけてしまう原因になってしまいます。歯肉を傷つけないように正しく使用するようにしましょう。
また歯間ブラシやフロスは歯ブラシの代わりにはならないため歯ブラシは毎日、歯間ブラシやフロスは1日1回使用するようにしましょう。使う順番は歯間ブラシ、フロスを使ってから歯ブラシの順で使うのがおすすめです。
歯間ブラシもフロスも歯間の虫歯予防としてとても大切なアイテムになります。もし使い方でお悩みの方がいらっしゃいましたら検診でお気軽にご質問ください。
千種区たなか歯科クリニック歯科衛生士 川元
フッ素を使った虫歯予防
こんにちは!名古屋市千種区 たなか歯科クリニックの冨里です。
今日は「フッ素」についてお話ししようと思います(^^
フッ素と言うと、歯磨き粉に含まれているものとしてご存じの方も多いかもしれませんが、
実際にどのような効果があるのか、どうやって予防に役立つのかを改めて確認していきましょう。
まず、フッ素とは何かをご紹介します。フッ素は、自然界に広く存在する元素で、
特に歯や骨に関係が深いとされています。私たちが日常的に使っている歯磨き粉にも、
虫歯予防のために少量のフッ素が含まれていますが実は歯科医院では、
さらに強力なフッ素を使った治療を行うことができます。
このフッ素が、虫歯を予防するために非常に重要な役割を果たしています。
フッ素の主な作用は、歯のエナメル質を強化することです。
歯の表面には「エナメル質」と呼ばれる硬い層があり、これが虫歯から歯を守る大切な役割を果たしています。
しかし、食事や飲み物に含まれる酸や細菌が歯に触れると、このエナメル質は少しずつ溶け出してしまうのです。
これが「脱灰」と呼ばれる現象です。ここでフッ素の登場です。
フッ素は歯に取り込まれると、エナメル質に結びつき、その強度を高める働きをします。
さらに、フッ素は溶け出したカルシウムやリンを再び歯に戻す「再石灰化」を促進します。
このように、フッ素はエナメル質を修復し、さらに強化することで虫歯の進行を防ぐのです。
フッ素はどのように使うのが効果的なのでしょうか。日常的にできる予防法としては、
フッ素入りの歯磨き粉を使うことが一般的です。フッ素入りの歯磨き粉は、
虫歯の予防に効果的な量のフッ素を含んでおり、毎日の歯磨きで使用することが推奨されています。
特に、夜寝る前にフッ素入り歯磨き粉を使うことで、就寝中に口内のフッ素濃度が高く保たれ、
虫歯予防に役立ちます。また、歯科医院で受けることができるフッ素塗布もあります。
これは、歯の表面にフッ素を直接塗布してもらう方法です。
フッ素塗布を定期的に受けることで、虫歯のリスクを減らすことができます。
フッ素を使うことに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には適切な使用方法であれば
、安全性が非常に高いとされています。歯磨き粉に含まれるフッ素は、適量を使用する限り、
健康に害を及ぼすことはありません。また、歯科医院で行うフッ素塗布も、専門的に管理されているので安心です。
ただし、過剰に摂取すると健康に悪影響を与えることがあるため、適切な使用方法を守ることが大切です。
特に、小さなお子さまには、フッ素入り歯磨き粉を使用する際、量を守ることが重要です。
誤って飲み込むことがないように、大人がしっかりとサポートしてあげてください。
虫歯予防には、毎日の正しい歯磨きとともに、フッ素をうまく活用することが非常に効果的です。
フッ素は歯の強化や再石灰化を促進し、虫歯を防ぐための大切な味方です。
歯科医院でのフッ素塗布を取り入れることで、さらに予防効果を高めることができますので、
定期健診に通い続けることが大切です。
日々のケアとフッ素を上手に取り入れて、健康な歯を保ちましょう(^^♪
名古屋市千種区 たなか歯科クリニック 冨里