歯の神経の再治療、CTによる再評価

歯の神経の再治療、CTによる再評価

久しぶりの投稿です。

千種区覚王山のたなか歯科クリニックの田中です。

各学会がオンラインになり、自宅にて聴講できますが何か物足りなさを感じている今日この頃。

先日新潟で発表の機会がありましたが、目の前に人がいると嬉しいですね!!

(もちろんその後の懇親会はマスクをしながら食事。早々に退散しました)

ところで最近ではCTを導入している歯科医院が多くなってきました。

(現在では一部条件付きで保険に導入されております)

今回の内容は神経の治療、専門用語で「歯内療法(しないりょうほう)」、特に再治療(Retreatment、または感染根管処置)のCTによる評価です。

(この治療は自由診療です。ご理解お願いいたします)

 
 
私は神経の治療の際はCT撮影はルーチンにしております。
 
CT撮影の理由ですが、まずはこのレントゲン写真を御覧ください。
これは通常撮影するデンタルフィルムと言われているものです。
奥から(右側から)2番めの冠がかぶっている(金属は白く写っている)★の歯が痛いということで撮影しました。
 
基本的にレントゲン写真は2次元です。
近くの構造も遠くの物も重なって写るので読影(レントゲン写真を読み解くこと)は解剖を理解していないと難しいです。
あえて角度をずらして撮影するテクニックもあります。
 
それと比べてCTを撮影し、コンピューター上でマウスをクルクルと回しながら
解析(マルチスライス)していくと病巣をしっかりと確認できます。
3次元的にどの方向でも切り取れるレントゲン写真ということです。
 
「CT」とよく言われていますが、これは ”Computerized Tomography” の略称で、
コンピュータありきのレントゲン撮影です。
家庭用PCでもゲーミングPCレベルのものならば解析可能で、歯科医院でもその恩恵を受けているという訳です。
(ソフトウェアは目が飛び出るほど高価ですが。。。)
 
 
ちなみにこれが術前のCT画像
右側の根の先に膿がたまりその圧力のためドーム状に膨れ上がっています。
また、頬側の骨が溶かされているのも観察できます。
同じ歯で違う角度からは(右側奥から2番目の歯の)根の先がやはりドーム状に
盛り上がっています。
ここには膿がたまっています。
 
たまった膿を切開して出すだけなら誰でもできます。
痛みも腫れも消え、患者さんは治ったと感じるでしょう。
しかしその傷口が塞がったら、また時間が経てば腫れてきます。
これは単なる対処療法で応急処置です。
根本的な治療がされない限り腫れを繰り返しその度に深刻な状態になります。

冠を外し、マイクロスコープを使用し根の中を徹底的にきれいにします。
汚染物質を除去するのが大変。
これは通常の治療以上の技術が問われます。
 
(これについてはいずれご説明する予定です)
 
唾液を遮断するためラバーダムを使い術野を確保します。
ラバーダムによる治療の成功率は論文ではいろいろ議論されていますが、
僕は少しでも成功の確率が上がるならばつけるべきだと判断しています。
 
僕が師事するフリードマン先生は「ラバーダムしない歯科医は警察に通報する!!」
とまで言っています。半分冗談ですが実は本気です。
 
 
これが根管充填後のデンタルレントゲン(フィルムに傷がついて見にくいです(汗)
マイクロスコープできれいになったことを確認し、根管をMTAで封鎖しました。
ここで使用したMTAは保険適応外の材料です。
この後にファイバーコアで補強し、冠を被せます。今回はジルコニアを使用しました。
イメージはこんな感じ。図は下顎の歯ですので上下逆ですが。
 
 
治療後は問題なく過ごして頂いています。
 
 
術後1年後にたまたまCTを撮影する機会があったのでこの歯を再評価しました。
(患者さんからの希望です)
通常3ヶ月後、たまに6ヶ月後に再評価し治癒傾向を確認してから冠をかぶせます。
 

 

術前と術後を並べてみると・・・
(左が術前、右が術後1年)

 

 
完治していることが確認できます。
 
このようにCTは治療の診断において非常に有効です。

もしご自身の歯で何かしら心配なことがありましたらCTを撮影すると今まで見えなかったものが見えることがあります。

 

たなか歯科クリニックには
「覚王山プライベートデンタル」
という医院を併設し、専門的な保存療法を行っています(完全予約制・自由診療)。

本気で一本の歯を残したい方はご相談ください。

 

千種区覚王山
たなか歯科クリニック・覚王山プライベートデンタル

田中伸尚

根っこの治療ってなにやってるの?

 皆さんこんにちは!千種区覚王山にあります、たなか歯科クリニック歯科医師の木方です。
 先日、根っこの治療の勉強会があり、そこで多くのことを学んできました!今は、コロナの関係で勉強会の参加人数も数人で感染対策をおこないながらの実習ですが、とても有意義な時間を過ごせました。

 そこで本日は根っこの治療について、書かせて頂こうと思います。
 根っこの治療と言っても、神経が生きているのか、歯の根っこが完成しているのか、既に治療されている歯なのか、根の先に膿があるのか、歯の周りに骨はあるのか、治療中、唾液が歯の中に入らないようにゴムのカバーを掛けられるのか等、状態や状況次第で治療法や治療回数が大きく変化します。また、前歯では根管は一つですが、奥歯では根管が4つあるのでその分回数も増えてきます。
 根っこの治療の難易度が上がるものとしては、根っこが湾曲している、開口量が少ない、器具が根の先まで届かない場合などです。一度も治療されていない歯と治療されてる歯とでは後者の方が難易度は上がります。

 根っこの治療の流れとしては、上部の形を整え器具が根管内に入れやすい形にします。その後、根管内を器具で広げながら洗浄していきます。その際、ファイルと呼ばれる針金のような道具を用いて根管内をきれいにして、薬液を用いて、根管内を消毒していきます。根管内をきれいにして細菌の数を減らす事が重要になってきます。その為に治療中はラバーダムというゴムのカバーを歯にかけて、唾液が根管内に侵入するのを防ぎます。内部が綺麗になったら、最終的な薬を入れます。最終的な薬としては、根管内にゴム状の物や、MTAというセメントで封鎖したりします。その後、歯に土台をたてて被せ物を作ります。

 根の先に膿があり、根の治療後も症状が改善しない場合、外科処置が必要になる場合があります。外科処置は、歯肉を切開し、骨を削り根の先を切り取ります。その後、根の先を封鎖し、歯肉を縫います。根の先を切る方法としては、他にもあります。一度、抜歯し口腔外で根の先を切り、再度元の位置に戻す方法もあります。
治療後はレントゲンで定期的に状態を確認していきます。

今回は根の治療について大まかに説明を行いました。根の治療は、部位や状態で治療内容が変わってきます。また、根管内の治療なので直接見て理解していただくことが難しくもあります。ですので、治療について分からないことがあれば、遠慮なく聞いてください。

名古屋市千種区覚王山通 医療法人TDCたなか歯科クリニック 歯科医師 木方奨

舌苔のひみつ

こんにちは!たなか歯科クリニックの奥田です。
今日は、舌の汚れ「舌苔」についてお話したいと思います!

・舌の上にのっている白い物体は??
舌の上にのっている白い物体は「舌苔」といわれ、舌の上に苔のように広がっています。舌苔は、指の爪でぬぐいとることができ、とてもネバネバしています。
舌苔の成分は、大きく分けて3つに分けられます。
*口の中の細菌
*細胞が剥がれ落ちたもの
*食べ物の残りかす
中でも細菌が多くの割合を占めており「菌の塊」が舌の上にたくさん張り付いているというイメージです。

・舌苔はどうやって舌についているの??
まず舌は、表面に乳頭というぶつぶつした突起のようなものが無数に存在しています。
この中に糸状乳頭という突起があります。
これは舌全体に広がっていてざらざらしています。
この突起に「舌苔の成分3つ」+「唾液のネバネバした成分」などが混ざり合い、この糸状乳頭に付着します。

・舌苔が付着する4つの原因
健康な人でも多少はついていますが、舌苔が多くつきやすい人には理由もあります。
*口の中の清掃不良 
→口の中の清掃状態によって舌苔の量は増加します。正しい清掃方法を身につけることもとても大切です。
*口の中の乾燥状態
→口の中が乾燥している人は唾液の量が少なく、舌苔が付着しやすくなります。
*舌苔が多い人ほど食べ物を食べていない??
→舌は食べ物や歯にあたることによってこすれあいます。同時に唾液がでることによって口の中の食べかすやプラークを洗い流しています。
舌をうまく使えない人は、こすれあう機会が減り、舌苔が多く付着することになるのです。
*体調不良による舌苔の変化

・効率よく舌苔を除去する2つの方法
*舌ブラシを使う
→舌を磨くための舌ブラシがあります。
鏡を見ながらなるべく舌を前に突き出します。
ブラシまたはへらの部分を舌の上面に沿わせるようにして奥から前にかき出すようにします
力をかけすぎないように動かしましょう
注意点としては、
*奥のほうまで無理して磨かないこと
*市販の歯ブラシは硬すぎるため使用しないこと
*1日何度も行わない
*歯磨き粉は使わない

*音波ブラシを利用する方法
音波ブラシには舌を磨くヘッドが付属されているものもあります。
良い点としては、舌ブラシのような動作を行うことなく舌苔を効率よく落とすことが可能です。
ただし舌に強く当てたり、長時間行うことで舌が傷ついてしまうので要注意です。

今回は舌苔の正体についてお話ししました。今までそんなに気にしてこなかったという人のほうが多いのではないでしょうか?一度お口の中をよく観察してみてください!
舌のケアもばっちりおこなってみてくださいね!

千種区覚王山たなか歯科クリニック歯科衛生士奥田眞由

新生活だからこそ気をつけよう!

千種区の皆さん、こんにちは。
4月ということで新生活はいかがですか?
新社会人は慣れない会社に、そして新1年生はワクワクな学校に、多くの人が気持ちを新たにスタートする季節ですね。
きっと、大変な毎日を過ごしていると思います。
また、学生の皆さんは部活も始まり、後輩にたくさん教えたりと大変な毎日だと思います。
そこで今回はこんな大変な毎日だからこそ気をつけたいことについてお話ししていきます。

①就寝前に歯磨きをせずに寝てしまう。
慣れない生活や部活に疲れ、帰宅するとクタクタ。夜ご飯の後、歯磨きをせずそのまま寝ていませんか?
これでは、夜じゅうずっと虫歯菌と歯周病菌の楽園に。
寝る前には必ず、歯磨きをしましょう。

②夜中にお菓子を食べながら宿題。
夜ご飯を終えると眠たくなり、仮眠後、夜中に起きて勉強する方は多いのではないでしょうか?
お菓子を食べながらは虫歯菌にエサをやり続けるようなもの。
ダラダラ食べはやめましょう。

③部活や勉強の合間にジュースやスポーツドリンクを飲む。
ジュースやスポーツドリンクには多くの糖分が入っています。
また果汁の酸で柔らかくなった歯を食いしばるとすり減りやすいので要注意。
含まれる砂糖と酸がお口の中に残ると虫歯や酸蝕症のリスクに。
飲んだら水やお茶も一口どうぞ。

※酸蝕症とは
酸によって歯が溶ける症状を言います。
「虫歯」は、虫歯菌がエサである糖を分解するときに作る酸で歯が溶けるが、「酸蝕症」は細菌が関与しないという点が虫歯と異なります。
原因:胃酸、酸性の薬物の服用、酸の強い食品の取りすぎ
症状:歯が透き通る、歯が丸みを帯びる、歯の表面に小さな凹みができるなど

④就寝中の歯ぎしりで朝起きると顎がだるい。
歯ぎしりは日中の疲れやストレスによって起きてしまいます。
あまり激しいと歯やあごが痛んでしまいます。
歯科医院でマウスピースを作ってもらいましょう。

⑤疲労回復に柑橘類やビタミン飲料をよくとる。
柑橘類やビタミン飲料は疲労回復に役立ちますが、酸性度が高く、歯のカルシウムを溶かしやすい飲食物。
摂った後は水やお茶を飲んでおくのがおすすめ。

⑥休日も日々の疲れや部活で歯科に行けない。
たまにあるオフは休養が優先?
症状がないからと先延ばしにしていませんか?
症状が出る前に、歯科医院に行き現状を知ることも大切です。
ぜひ、3〜4ヶ月ごとにメインテナンスを受けましょう。

いかがでしたか?
皆さんの今の生活を振り返ってみてどうですか?
大変な毎日が続きますが、これからも頑張っていきましょう。

たなか歯科クリニック 歯科衛生士 常川 怜奈

歯をぶつけた!どうしよう…

千種区のみなさんこんにちは、たなか歯科クリニックの長谷川です。
すっかり春の陽気ですね!新生活、新学期始まる皆様はいかがお過ごしですか?
不安だったり、少し楽しみだったりが混じった気持ちが懐かしいです。

今回は気温も暖かくなり公園等で遊ぶ機会も多くなったであろう小さなお子さんが、歯を強くぶつけてしまった時どの様に対応したらよいかお話していきます。
小さなお子さんが歯を強くぶつけた時“血が出ている、痛いと泣いている”といった場合、保護者の方は間違いなく歯医者さんに受診されると思います。
ですが、血が出なかったり、痛みが引いていた場合どの様に対応すればよいか迷うこともあるのではないでしょうか。見た目に現れていないから大丈夫かな〜とそのまま様子をみるのは要注意です。早めにかかりつけの歯医者さんを受診してください。

歯の怪我はぶつけたのにすぐ痛みが引いてしまう時があります。また、歯のぶつけ方によっては血がでなかったり、にじむ程度の出血でおさまることもあります。たとえば、歯が垂直にぶつかり奥に食い込んでしまうケースだと、組織が強く圧迫されているため血はほとんどでませんが食い込んだことにより組織が大きなダメージを受けている状態になります。このように血や痛みが出ていなくても、歯の根っこや歯の周りの組織といった内部にダメージが及んでいる可能性があるのです。

また、歯をぶつけた際に乳歯が抜けてしまった場合、このまま生え変わる歯だからいいかな〜と様子を見るのは危険です。歯が抜けるほどの怪我は歯の内部組織に相当なダメージがかかっているといえますので、乳歯の奥で成長している永久歯にまで影響がでることがあります。
実際に乳歯をぶつけて、抜けてしまった時が特に永久歯に影響が出やすいことがわかっているそうです。永久歯の芽(永久歯胚)はお子さんの成長とともにだんだんと歯の形になっていきます。最初はゼリーの様にやわらかく、乳歯が生えている段階での永久歯の芽は学校で使うチョークくらいの柔らかさです。ですので、ぶつけた乳歯が押し込まれて永久歯にあたると簡単に割れたり形が変わってしまう心配があるのです。

このような目に見えない、根っこの部分や歯周組織、顎の骨、まだでてきていない永久歯といった部分はレントゲン等を用いた専門医の検査が不可欠です。後になって痛みが生じる前に是非歯医者さんで検査を受けてみてください。
たなか歯科クリニックでは、外傷(歯を強くぶつけた等)の患者様の診察も急患で行なっています。まずはご来院前に詳しく状況を知るために、お電話をお願いします。

千種区覚王山 たなか歯科クリニック
受付・歯科助手 長谷川麻央

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