歯が強い力に耐えているあかし!「楔状欠損」

歯が強い力に耐えているあかし!「楔状欠損」

2023年も よろしくお願いします! 名古屋市千種区 たなか歯科クリニック 歯科医師の 満田 誠 です。

ここで、“歯医者あるある” をひとつ。
「虫歯があるわけでも無いのに、歯がしみる」 これ、な~んだ?
答えは………??? “知覚過敏”!!

知覚過敏とは、
「外的な刺激(例えば、歯ブラシの毛先が触れる・冷たい飲食物・甘いものなどの味の濃いもの・風が当たる、など)によって 歯に感じる、一過性の痛み」
で、特に 虫歯や歯の神経の炎症などの病変が無い場合にみられる症状を言います。

実は 歯科医院に訪れる方の多くが、この症状により来院されます。

では、なぜ知覚過敏がおこるのでしょう?
それは、「象牙質の露出」 によるものがほとんどです。

歯は、断面で見ると3層構造になっています。
最も表層は 「エナメル質」 という 白くて硬い構造物で覆われており、そして歯の中心にあるのが 「歯髄」 という神経や血管の集まり、そして エナメル質 と 歯髄 の間にあるのが 「象牙質」 という エナメル質よりやや黄色っぽくて柔らかい層。
象牙質は、内部に「象牙細管」と呼ばれるレンコンの様な管が無数に走っていて、それが歯髄に繋がっています。

その「象牙質」が 何らかの要因で、表層のエナメル質が無くなり 外界に露出すると、象牙細管の入り口(歯磨き粉のCMなどでは“知覚ホール”とも表現しています)に 先述の外的な刺激が伝わり、歯髄が反応して 「ヒヤッ!!」 と感じる訳です。

では、またまた疑問があります。なぜ2層目の内部構造であるはずの 象牙質は露出してしまったのでしょうか?
それは、『過剰な外力によるもの』 です。
その大きな力により、象牙質をカバーしていたエナメル質が 壊れて剥がれてしまったり、歯茎の退縮が起こって、象牙質がむき出しになってしまったのです。

その力の原因について、かつては “不適切な歯磨きの仕方” ではないか? と言われてきました。
それも確かにそうなのですが、どうも多くの場合は それだけでは無さそうです。
どうやら、“『過度な歯ぎしり・食いしばり の力に耐えている歯』 に、エナメル質の削れ・歯茎の下がり が起こる” のが、象牙質知覚過敏の主たる原因みたいなのです。

「私、よく歯がしみるんです…」という方。ちょっと鏡でお口の中を見てみてください。

この写真は極端な例ですが、こんな風に
“歯茎と歯の境目部分が 削れて三日月状に凹み、その凹んでいる部分が他より黄色っぽくなっていて、そこが妙に敏感に感じる”
という箇所がある方、いらっしゃるのではないでしょうか?

これは、我々歯医者が 『楔(くさび)状欠損』 と呼ぶものです。
この楔状欠損を見ると、私は思うのです。「あぁ、この歯は一生懸命 力に耐えて頑張ってきた歯なんだな…」と。

楔状欠損ができているのは、先ほど言った “歯ぎしり・食いしばり の力が過度にかかっている歯” です。その咬合力がかかる部分に たわみが生じ、エナメル質・象牙質が破壊され、楔状にすり減ってえぐれ、象牙質が露出して知覚過敏が発生します。
だから、力が強くかかる奥歯に楔状欠損はできやすく、知覚過敏は生じやすいのです。

でも、この現象ですが “病気” ではありません。
“咬み合わせの個性” や “噛みしめ・食いしばりをしやすい癖” から生じるものです。
その方の 歯並び・骨格・ライフスタイル において、楔状欠損ができている部位に 力が強くかかっている咬合なのだ、という証なのです。

虫歯や歯茎の炎症などの病気が原因であれば、それを治せば症状は無くなるでしょう。しかし、“咬み合わせの個性” や “癖” が原因であるのなら、なかなかそうはいきません。

成人になってから 歯並びや骨格を治すのは理想的ではありますが、小児と違って 外科矯正治療が必要となったり、期間的・費用的・生活的にみても現実的ではないため、ある程度 自分の咬み合わせの個性とは 生涯上手く付き合っていかなければなりません。

嚙みしめたり、食いしばったりするのは、実は誰でも100%することです。特に、就寝中には 程度の違いはあれど、全員が誰でも行っている事なのです。ただ、歯並びの不安定さ や 睡眠の質により、その程度・頻度に差があります。また、起きている時でも、ついつい緊張したり 集中したりすると 食いしばってしまう癖がある方も多くいらっしゃいます。

だから 楔状欠損がある方は、決して病気だからではありません。歯がこれまで 過剰な外力に耐えてきた証拠です。
しかし、現実に過剰な咬合力が 歯や周囲組織に悪影響を及ぼす場合は、そうならない様に力をコントロールしていく必要があります。
誰でも、歯がヒヤッとしみるのは辛いですからね。

だから、その知覚過敏・楔状欠損との付き合い方、コントロールの仕方が 色々開発されてきました。何を隠そう、歯医者である私自身も 自分の知覚過敏傾向と戦っている一人です。これは、誰もが抱えるであろう課題とも言えます。

ということで、これらの事でお悩みの方。一度ご相談ください。あなたに合った向き合いかたを一緒に考えていきましょう♪

千種区 たなか歯科クリニック
歯科医師 満田 誠

虫歯の大きさと治療法

皆さん、新年あけましておめでとうございます!たなか歯科クリニック歯科医師の木方です。
今年もたなか歯科クリニックをよろしくお願いいたします!

さて今日は、虫歯の治療について、虫歯の大きさごとに分けて書いていこうと思います。
虫歯はCoからC4までの5段階あります。C0はエナメル質の表面が白くなったりしている状態で、穴は空いていません。C1はエナメル質に限局した虫歯になります。表面は白や黒くなっていたり、ザラザラした状態になっていたりします。CoやC1は基本的には、しみるなどの症状はほとんどありません。C2はエナメル質だけでなく、その奥の象牙質まで虫歯が進行している状態です。浅いと症状はないですが、神経に近づくにつれ、しみたり、痛みなどがあったりします。C3は神経まで虫歯が達している状態です。症状はかなり染みる症状が強かったり、ズキズキと常に痛みがあったりします。C4は虫歯で歯冠が崩壊してしまい根っこだけになってしまっている状態です。ほとんどの場合中の神経は死んでしまう為痛みは出にくいですが、根の先で膿が溜まったりしてしまうと腫れたり、痛みが出たりします。

次に治療法について説明していきます。
Co、C1は経過観察やシーラントで予防したりします。C1の場合は削ってレジンで埋める処置をする場合もあります。
C2は進行する可能性が高い為、経過観察を行うことは少ないです。C1の時のように削ってレジンで充填する場合や削って歯の形を整えて、型取りして金属やセラミックなどで治します。レジンの場合削る量は少なく、色もある程度歯に合わせることもできますが、噛み合わせの力が強くかかると欠けたり、外れたりします。また歯と歯の間の虫歯を直した場合ものが挟まりやすくなる場合もあります。そういった場合型取りして被せたほうが強度もありますし、歯と歯の間も詰まりにくくなります。
C3まで行くと根っこの中の治療が必要になります。神経が細菌にやられて炎症が起きているため、炎症が起きている神経のみを取り除く、もしくは、全て取り除いて内部をきれいにします。ただし、症状が強く出ている場合は、神経を取りきらないと治らない可能性が高いです。根の治療後は土台を立てて被せ物になります。
C4はほとんどの場合抜歯になりますが残っている歯の量次第では、根の治療し、土台を立てられる場合や矯正で歯を上に引き上げて治療する場合もありますが、通常よりは寿命が短くなります。抜歯後は、インプラント、ブリッジ、入れ歯が基本的な選択肢になります。

今日は虫歯の治療について書かせていただきました。何かわからないことがあればお気軽にご相談ください。

名古屋市千種区覚王山通 医療法人TDC たなか歯科クリニック 歯科医師 木方 奨

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